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Sommerfest im DB Museum Koblenz [デュッセルドルフ報告]

 主に旧西ドイツ国鉄車両を保存しているDB Museum Koblenzで、6月17・18日に毎年恒例のサマーフェスティバルが行われた。今年のテーマはTEE 60周年、多彩な車両が集結するとのことで、4月に続いてDB Museum Koblenzを再訪した。
 Düsseldorf Hbfを9時49分に出るIC 2005に乗車、車内はほぼ満席だったのでBordBistroでコーヒーを飲みながら過ごすことにする。減速してライン川を渡り、Kӧln Hbfには10時15分に着く。6番線ホームには既にカメラを持った鉄道ファンが集まっていた。発車案内表示には10時46分発Koblenz-Lützel行TEE 5464の文字。博物館イベントに合わせて、17・18日の各日にKoblenz-Lützel~Kӧln Hbf~Koblenz-Lützelを走る特別列車が午前・午後2本ずつ運転されるのである。客車はTEE用客車、牽引機は17日午前・午後と18日午前の3本は103 113、18日午後はE10 1239が担当する。

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 103形は2016年12月を以て定期運用を終了し、113号機は3月末にDB Museum Koblenzに移された。今日が初めての動態保存運転ということで、注目度も高いのであろう。私もこの列車のチケットをオンラインで購入済みであった。
 入線を知らせる構内放送が入り、10時40分に103 113を先頭にTEE 5464が入線してきた。ホームで待っていた人々が一斉にカメラを向ける中、ゆっくりと目の前で103 113が停車した。客車は5両と短めだが、TEE客車を牽く姿は美しく、特急列車としての貫禄も十分である。編成はコンパートメント客車4両、その中間にTEE „Rheingold“の末期に連結された“Club Rheingold“と呼ばれるクラブカーが連結されている。

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 指定された3号車はコンパートメント客車Avmz 111.1である。私のコンパートメントには既にドイツ人の先客が一人、挨拶して自席に座る。座席は十分な大きさがあり、柔らかい座り心地で、実に快適である。
 TEE 5464はKoblenz-Lützelを9時05分に発車し、ライン川を渡って、Rechte Rheinstreckeライン川右岸線を北上して、Kӧln Hbfに着いた。列車は進行方向を変えることなく、さらにLinke Rheinstrecke ライン川左岸線を南下してKoblenz-Lützelを目指す。
 Kӧln Hbfを発車した列車は主に長距離列車用の車両が並ぶ広大な機関区の外周を大きく回り込み、南西へ進路を向けて加速していく。
 隣の座席に遅れて、日本からの鉄道ファンも一人乗車して来られた。DB Museum Koblenzのサマーフェスティバルがお好きで、今回もイベントに合わせてドイツにいらした、とのこと。幼い頃にメルクリンのカタログを毎日のように眺めて以来のドイツ鉄道好きで、これまでにドイツ国内の主要な鉄道博物館は全て訪問されたとのことで、その行動力には脱帽するしかない。同行の士と話すのも、また旅の楽しみである。

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 103形もTEE用客車も200km/h対応だが、動態保存車両の臨時列車ということで、ダイヤは控えめ。今回の走行区間は元々、最高160km/hまでしか対応していないが、Kӧln – Andernach間を同じ停車駅のICは43分で走るのに対し、TEEは57分かける。これは停車駅の多いREと同等である。といってもREも最高160km/hの俊足、TEE 5464も決してゆっくり走っているわけではなく、区間によっては140~160km/h程度は出ているようだ。蒸気機関車牽引の列車に乗車した時も感じたが、保存車両を用いた列車でも、ある程度のスピードで運転するのは、ドイツらしい点と言えるかもしれない。
 構内で行われている工事の影響か、Bonn Hbfの手前で一旦停止し、ゆっくりと入線する。予定より数分遅れて11時20分にBonn Hbfを発車すると、Nordrhein-Westfalen州からRheinland-Pfalz州に入り、ライン川に沿って走る。友人が撮影しているはずの陸橋をくぐると、まもなくRemagenに着く。ここで高齢の父とその息子と思われる二人連れの親子がコンパートメントに入ってきて、6席のうち5席が埋まったが、座席に余裕があるせいか、特に窮屈には感じない。

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 列車はさらに順調に南下して行く。それなりのスピードは出しているのだが、揺れは非常に少なく、乗り心地は非常に良い。ここで、“Club Rheingold“客車WGm804に行く。WGm804はTEE "Rheingold“に1983年から87年まで連結された車両で、München発着の付属編成での供食サービスに用いられた。今日も飲み物や軽食が提供されており、一角ではピアノ演奏も行われていた。座席は全て埋まり、朝からビールやワインを傾ける乗客で賑やかであった。本当はお土産用のTEEのマグカップを買いたかったが、残念ながら売り切れであった。瓶ビールを購入し、自席に戻る。

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 最後の停車駅Andernachを過ぎると、程なくしてライン川と離れていき、Koblenz-Lützelの構内に着く。広い構内には、展示車両に加えて、52形蒸気機関車牽引のツアー列車が停車している。しばらく待機する、との車内放送が入る。その間に先頭の103形は切り離され、後部にディーゼル機関車が連結されたところで、再び発車。ゆっくりと進み、12時15分に博物館に設けられたホームに到着する。わずか1時間余りであるが、楽しい103形牽引TEEの旅であった。

 博物館では14時から機関車パレードが行われる。パレードを撮影しやすいポイントでは、すでに多くのファンが並んでいる。行列をあまり見かけないドイツでは珍しい光景である。私も博物館の見学は後にして場所取りをすることにした。
 信号所の近くに良い場所を見つけ、博物館横の本線を行き来する列車を撮りながらパレードを待つ。その間にも、目の前をドイツ最初の蒸気機関車Adler号や01形蒸気機関車が行き来して、なかなか楽しい。博物館とKoblenz Hbfの間には会期中140形と212形によるシャトル列車が運転されており、友人がこの列車に乗って13時過ぎに来た。まずはビールで乾杯。1時間半以上待つのは楽ではないが、その間にも鉄道ファンの数はさらに増え、かなりの混雑となってきた。といっても、殺気立った雰囲気はなく、子供が前に潜り込んだりしている。

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 パレード開始の時間が近づいてくる。パレードの参加する車両が集結して来ると、いよいよ楽しみで仕方がなくなり時間の経過が長く感じられる。14時ちょうどに構内放送が入り、いよいよパレードの開始である。

ドイツ最初の蒸気機関車Adler
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01 150
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Haunauをベースに、特別列車の牽引に忙しく活躍する01 150も登場。私も一度、この機関車牽引の列車に乗車し、また何度か撮影して、思い入れのある車両である。

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続いてHalleのDB Museumで保存されている、旧DRの243形。現在も143形として多く車両が活躍しているが、オリジナルの姿も美しい。

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重貨物列車用150形は最高速度100km/hと遅いのが災いしたのか、2004年までに廃車され、今回初めて動態の姿を見ることが出来た。

E310 001
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2電源対応の試作機で、後に181形となった。自走できないため、360形が後ろから押し、一旦切り離された、今度は150 186に連結されて去っていった。

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E310を置いて一度バックしたV60 (360形)が再度パレードに登場。ある意味では入れ替え機らしい動きである。

E10 1239
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ドイツの近代電機の先駆け、110形は複数登場。先鋒は、1962年に新型客車を用いて運転開始された“Rheingold“を牽引したE10 1239である。

110 152
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110 152はOrientrotを纏っている。比較的新しい塗装であるが、TEE塗装などと比べても、見かける機会は少ない。

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勾配線区の重貨物列車に活躍した旧型電機。そのスタイルから「ドイツのクロコダイル」と呼ばれた。

Kӧf
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E60 10
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入れ替え用電機である。1927年から1983年までの長きにわたって活躍した。

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1932年に登場し、187両が量産された旧型電機の初号機。1991年まで活躍した。

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流線型スタイルのE10が“Blauen Enzian“に用いられた展望客車と共に登場。

VT 11.5
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Horbの博物館で保存されていたVT 11.5。開館日が限られ見る機会がなかったが、今回のイベントに合わせて回送され、機関車パレードにも登場した。イベントの目玉の一つである。先頭はオリジナルの601形、客車2両、後部はガスタービンに換装された602形である。安全規定をクリアできず動態保存は既に断念されているが、流麗なスタイルをみられただけでも嬉しい。

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先程乗車した103 113牽引のTEE。やはり格別に美しい編成である。

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パレードのトリは120形の量産車の初号機。120形はまだまだ現役で活躍しているが、徐々に数を減らしている。

 1時間半程の楽しい機関車パレードはこれで終了である。一角に止まっていたレールバスを撮る。

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 会場ではイベントに合わせて、様々な露店が出ており、飲食物から鉄道グッズ、部品、鉄道模型などが売られている。その一つ、DBのBahnShopでいくつかのグッズを購入した後、遅めの昼食を軽く摂る。

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 その後は、博物館の車両を見て回る。昨年はTEEを牽引した111 001は今日は静かに休んでいる。

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 VT 11.5はパレードの後、博物館内に留置されていた。先程はディーゼル機関車に隠れていた602形の姿もゆっくり観察することが出来た。車内も公開中で、高級感溢れる客室は実に魅力的である。601形の運転台は復元工事中なのか多くの部品が外され無残な姿であったが、それでも基本的な構造は分かった。一方、602形の運転台は行列が出来ていて、時間切れで見学できなかった。

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 私が買った切符では、103形のTEEに復路も乗車することもできたが、それよりも鉛線で撮影することにした。16時半過ぎに友人と共に博物館を出て、Koblenz-Lützelへ20分程歩く。143形が牽引するライン川右岸線のRBに乗る。列車は10分程遅れ、40分程でLeubsdorfに着く。

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 駅からしばらく歩いたところで、まずはDB Museum Koblenzから来た4両編成のレールバスを撮影する。

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 さらに歩くこと、10分。Dattenberg付近で103形を待つことにする。右岸線は貨物列車が中心だが、REやREなどの近距離列車も少なくない。さらにミリタリー関連の貨物列車も通過した。
通過予想時間から15分程過ぎた頃、103 113がようやく姿を現した。機関車のトラブルがあって遅延したようだが、無事に撮影出来て一安心である。

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 ここからはLinzの駅まで歩く。速足で20分程、途中でビールを調達し喉を潤す。駅に着く頃には、すっかり疲れてしまった、425形によるREに乗車し、Kӧln Hbfに着いたのは20時半であった。駅構内のレストランで食事を済ませた後、友人と別れ、REでDüsseldorf Hbfへ戻った。

 6月18日も103形をKӧlnで撮ることにした。快晴の中、Interlarken行EC 7とS-Bahn S12系統を乗り継ぎ、Kӧln Airport-Businessparkへ。ICE 3の更新車、Tz 310編成で雲梯されたICE 621が通過した後、予定時間通りに103 113が通過していった。103形の雄姿を楽しむことが出来た2日間であった。

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Sauerlandを抜けて [デュッセルドルフ報告]

 6月15日はノルトライン・ヴェストファーレン (NRW)州は祝日、せっかくなので乗り鉄を楽しむことにした。路面電車でDüsseldorf Hbfへ出て水を買いこみ、10番線ホームへ。乗車するFulda行IC 2155は既に発車を待っていた。制御客車を先頭に、6両の客車を後ろから101 078が押す編成である。残念ながらこのICにはBordBistoは連結しておらず、車内販売もない。

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 空いている車内に入り、2等オープン客車に座る。本来の発車ホームから変更されたこともあり、定刻より5分遅れて、9時51分に発車する。Düsseldorf Flighafen、Dusiburg Hbf、Essen Hbf、Bochum Hbf、Dortmund Hbfとライン・ルール地方を東に向かいながら、主要駅にこまめに停車し、その度に乗客が増えていく。Hammには11時05分に到着、ここでスイッチバックする。乗車は相変わらず多く、2等車はほぼ満席になり、デッキに立っている乗客もいる。

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 HammからはHannover・Berlin方面の路線と分かれる。人口の多いNRW州だが、ここまで来ると車窓風景ものどかになる。ICといってもSoest、Lippstadt、Paderbornと10~15分とこまめに停車する。有名な高架橋を渡るとまもなくAltenbekenである。途中で信号待ちをしたこともあり、定刻より10分程度遅れている。

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 停車する度に乗客が増え、ここで私の席には、あらかじめ指定券を持った乗客が来たため、立つことにする。列車はAltenbekenから南下し、Warburgには11分遅れの12時35分に着く。ここで私も下車する。

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 IC 2055が発車していくと、すぐに同じ3番線に、Kassel-Wilhelmshӧhe発RE 4672が入線して来る。この列車はRE 17系統„Sauerland-Express“で、その名の通り、NRW州南東部に広がる丘陵地帯Saurlandを貫くObere Ruhrtalbahn (上部ルール渓谷鉄道)を通ってHagenまで走る。車両は振子式気動車612形を2本併結した4両編成である。612形は最高160m/h運転も可能だが、残念ながら、これから乗車する区間は最高140km/h対応、振子運転にも対応していない。

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 車内は空いており、テーブル付きの4人用席にゆったり座る。ICの影響で3分遅れの12時41分に発車したした列車はしばらくして先程通ったAltenbeken方面の路線と分かれ、西へと進路を向ける。途中のBrilon Waldまでは単線非電化、Diemel川沿いに進み、比較的直線が多い。最高120km/hのはずだが、実際には90km/h程で余裕のある走りっぷりである。車内にはディーゼルエンジンの振動が伝わり、前後方向の揺れも気になった。Scherfede、Westheim、Marsberg、Breelarと小駅に停車する度に乗客が少しずつ増える。若者や家族連れが目立つのは、如何にも祝日らしい。車掌は2編成を行きしながら、忙しく検札を行っている。車窓風景はのどか、特別な何かがあるわけではないが、ドイツの田舎らしい美しい光景を眺めながら、ローカル線の趣を楽しむ。

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 地域の拠点駅であるBrilon Waldには13時20分に到着する。この駅からはBrilon StadtやKorbachなどへのローカル線が接続しており、何本かの気動車が停車している。

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 Brilion Waldからは複線になるが、Besrwigまでは急カーブが続き、最高90km/hに制限される。Winerbergからの路線が合流すると、給水塔の残るBestwigに到着する。

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 この辺りから列車はルール川に沿って走る。Meschedeまでは最高120km/hだが、列車のスピードはそれほど上がらない。最高100km/hに制限されるArnsbergまでは再びカーブが連続する。乗車率は50%を超えたようだ。Arnsbergの先は再び120km/h区間、さらにWickedeからは直線が続き、最高140km/hとなるが、列車は100km/h程度の抑え気味の走りである。車窓には心なしか住宅が増えてきたようだ。
Hammからの電化路線と合流し、広大なヤードが広がると、まもなく14時28分にSchwerteに着く。

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 Obere Ruhrtalbahnの区間はここまでである。貨物列車が行き来し、構内は賑やかである。ここでは降車も多いが、乗車はそれ以上に多く、車内の座席はほぼ埋まった。5分程停車した後Schwerteを発車すると、電化区間、貨物線との複々線区間を快走する。この地域の拠点駅であるHagen Hbfには14時42分に到着する。

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 HagenからはAbellio Railが運行する14時51分発Essen行に乗る。列車はBochumまでルール川沿いに走り、さらに西へ向かう。

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 終点の一駅手前、Wattenscheidで降りて、後続のREの乗車、Duisburg HbfでS-Bahnに乗り換えて定番のAngermundで少しだけ撮影した後、帰宅した。

アーネムまでAbellioとICEを乗り比べ [デュッセルドルフ報告]

 ノルトライン・ヴェストファーレン州では地域輸送の充実が図られており、2016年12月Düsseldorfとオランダ国境に近いEmmerichの間にRE 19系統が新設された。RE 19系統はRhein-IJssel-Expressの愛称を持ち、4月6日からは国境を越え、オランダのArnheim Centraalまで延長された。運行はDBではなく、オランダ鉄道NS系列の民間旅客列車運行会社Abellio Railが請け負っており、車両はStadler製の電車Flirt 3で、基本的に1時間間隔で運転されている。この国境を超えるRE 19系統と、以前からオランダへの直通運転を行っているICEを乗り比べるべく、オランダへ日帰り旅行に出た。

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Abellio Flirt 3

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ICE 3M

 5月6日土曜日8時過ぎに自宅を出発し、Düsseldorf Hbfから8時26分発RE 19系統Arnehm Centraal行に乗車する。列車は5両編成を2編成連結しており、前の5両はArnheimまで直通、後ろ5両はWesel止まりである。定刻よりやや遅れ気味に発車した列車はDüsseldorf都市部を抜け、7分でDüsseldorf Flughafen 空港駅に到着する。ここで大きな旅行鞄を持った乗客が増えたが、それでも車内は空いている。Düsseldorf Flughafenからはしばらく直線区間が続く。Flirt 3は連接式でカタッカタッと軽やかに加速し、最高160km/hで疾走する。実に小気味良い走りっぷりである。
 Essen Hbf方面との分岐点であるDuisburg Hbfでかなり乗客が増え、7割方の座席は埋まった。車内は台車部分を除き低床構造が採用されており、身障者用トイレも備えられている。座席は硬めだが座り心地は良好、また一部の座席には電源ソケットも設けられている。全体に洗練されたデザインで、好感が持てる。
 Oberhausen Hbfでもまとまった乗降がある。ここから列車は概ね5kmおきに設けられたローカル駅に丁寧に停車していく。それでも、少しずつ乗降はある。土曜日ということで行楽客が多く、賑やかな雰囲気である。自転車を持った乗客も多い。

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 Weselで2分程停車し、ここで後ろ5両を切り離す。RE 19系統が登場する前はRB 35系統がDBの古いn-Wagenで運転されており、構内にも何編成か客車列車が停車していたものだが、もはやその姿はない。

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 のどかな車窓風景の中を列車は軽快に走る。オランダ国境に近いEmmerichには5分程遅れて9時49分に着く。昔は名列車ラインゴルトなど多くの列車が機関車交換を行った駅だけに、構内は広い。しかし、わずかに貨物機や貨車が停車しているものの、やや閑散とした印象である。現在は複電源に対応した車両が主流になり、駅の果たす機能も小さくなっているのであろう。

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 Emmerichを出るとまもなく国境を超える。とはいえ、何の表示があるわけでもなく、線路沿いにある標識類がDBのものからNSのものに代わり、架線柱の形状が変わることで認識できるだけである。電源方式も交流15 kV 16,7 Hzから交流25 kV 50 Hzに走行中に切り替えられるが、車内から国境を越えたことを実感することは難しく、乗客も誰も気にしていないようだ。

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 オランダに入った列車はZevenaarのみ停車する。オランダ区間は最高140km/hである。すれ違う列車は民間運営会社ARRIVIAの気動車だが、この会社はDB系列というのが面白い。3分遅れの10時18分に終点Arnheim Centraalに到着する。国境を挟んで、DüsseldorfからArnheimまで151kmを所要1時間50分程、なかなかの俊足と言えよう。Arnheimまで直通を開始して1か月、乗客も多く、それなりに利用が定着しているように思われる。

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 Arnheim Centraalの構内に設けられたバスターミナルに行く。係員に確認し、10時31分発の105系統のバスに乗り、車内で往復切符を購入して、25分程揺られる。広々とした森の中を走り抜けるのは気持ちの良いもの、驚くほど多くの自転車が走っているのもオランダらしい。Otterloという町に着く。間違えて停留所一つ分行き過ぎてしまったが、幸いにも歩いてすぐに戻ることができ、106系統のバスに乗る。マイクロバスは座席は一杯だが、5分程でデ・ホーヘ・フェルウェ国立公園の入口に着く。

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 目的地であるクレラー・ミュラー美術館へはこのまま106系統のバスで行けるが、敢えてここで下車する。近くには無料のレンタル自転車が備えられており、これに乗って、3.5km程走れば美術館に着くのである。森と平原の中を自転車で走るのは非常に気持ちの良いものだが、私に輪をかけて運動神経の悪い妻は怖がって何度か転びそうになり、果ては急に止まって私が追突したりと一苦労、美術館まで随分と時間がかかってしまった。
 クレラー・ミュラー美術館は特にフィンセント・ファン・ゴッホのコレクションが充実していることで有名である。「ジャガイモを食べる人々」「夜のカフェテラス」など印象的な絵をじっくりと鑑賞した後、屋外のレストランで昼食を摂り、さらに彫刻が並ぶ庭園を散歩し、ゆっくりと過ごす。最後に印象に残った絵をもう一度見直し、15時頃に美術館を出る。再び自転車に乗り、広々とした自然の中を国立公園入口まで30分ほどかけて戻る。

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 10分程待って106系統のバスに乗り、さらに105系統に乗り継いて、Arnheim Centraal駅に戻ったのは16時30分近かった。駅舎はモダンなデザイン、一角からはオランダで唯一のトロリーバスが発着している。まだ時間があったので市内中心部を散歩し、カフェでしばらく休憩する。

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 Arnheim Centraal駅に戻り、9番線ホームに行く。ARRIVIAの気動車が発車していくと程なくしてICE 129が入線して来る。車両はICE 3M (406形)のうち、DB所属の4607編成”Hannover”である。予約してあった最後部2等車のラウンジに座る。2等席は7割方の座席が埋まっていたが、ラウンジは他に2人の乗客がいるだけであった。

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 列車は17時37分定刻に発車する。乗ってしまえばいつものICEだが、何だかドイツに戻って来たみたいでホッとするね、という妻の言葉には全く同感である。ICEもオランダでは最高140km/hである。まもなく、国境を越えてドイツに入る。乗り心地は概ね安定しているが、時々空気バネが振り切れるようなゴツンという衝撃がある。軌道との兼ね合いもあるのかもしれない。
 BordBistroに行き赤ワインを購入する。供食設備があり、座席も上々、ドイツに入ってWifiも使えるようになった。ICEの自然な快適さはいつもながら好感が持てる。

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 後部展望を楽しみながらICEの乗り心地を楽しむうちに列車はOberhausen Hbf・Duiburg Hbfと停車し、Duisburgからは最高200km/h区間となる。高規格軌道で乗り心地も良くなったようだ。Düsseldorf Hbfには定刻の18時46分に到着する。

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 AbellioのRE 19系統利用ではDüsseldorf・Arnheim間は1時間49分、運賃は15ユーロと手軽に利用できる。ICEは所要1時間09分速くサービスも充実しているが、正規運賃にあたるFlexpreisでは2等でも40.10ユーロとかなり高い。ただし、Sparpreisと呼ばれる早期割引料金が設定される他、BahnCardを所有していれば割引も適応され、条件によってはそこまで値段差は大きくない。利用客から見ると、複数の選択肢があることは歓迎すべきことであろう。

40 Jahre Eisenbahnmuseum Bochum [デュッセルドルフ報告]

 Bochum-DahlhausenにあるEisenbahnmuseum Bochum ボーフム鉄道博物館は多くの貴重な車両を収蔵することで有名である。2017年、ボーフム鉄道博物館は40周年を迎え、さらにDeutsche Gesellschaft für Eisenbahngeschichte ドイツ鉄道歴史協会が50周年を迎えることから、4月29日・30日とボーフム鉄道博物館で” OST TRIFFT WEST” 「東が西に出会う」というテーマで記念イベントが開催されている。晴天となった29日、早速足を運んだ。
 29日Düsseldorf Hbfを10時過ぎに出るREに乗車、Essen Hbfまでは30分程で到着する。ボーフム鉄道博物館へは普段はS-Bahnに乗てBochum-Dahlhausenまで行き、そこから20分程歩く必要があるが、イベント開催中はEssen Hbfから博物館まで特別列車が運転されている。
 特別列車が発車する10番線へ向かい、入線を撮るべくホーム先端へ向かうと、70代の鉄道ファンAさんに声をかけられた。Aさんはまさに神出鬼没で、すでに4回も撮影時に遭遇している。そして、一度出会うと撮影の傍ら、ひたすら鉄道話をマシンガンのように語り続けるのだが、私のドイツ語力では3割理解するのも精一杯、それでも構わず話し続けるという人である。70年生きても鉄道は本当に面白いテーマだね、というAさん、早速Essen Hbfで停車していた列車を順番に解説し始める。それを聴いているうちに (正確には聴こうと努力しているうちに)、特別列車が姿を現した。

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 牽引するのはボーフム鉄道博物館が所有する元プロシア鉄道P8形、38 2267である。1918年製ということは御年99歳、それでもこうして本線を走るのだから、立派なものだ。客車を挟んで、最後部には212形ディーゼル機関車が連結され、Essen Hbfと博物館の間をプッシュプル運行しているのである。
Aさんと別れ、何となく付いて来た妻と共に特別列車に乗り込む。かなりの乗客が乗り込んだが、車内は空席も多く、妻と共にボックスシートを占めることが出来た。10時59分に212形を先頭にゆっくりと列車は発車、最高60km/hでゆっくりと走る。ゴトゴトと揺れはあるが、腰掛はクッションが効いているし、乗り心地は上々。何よりも、この雰囲気を味わうだけでも楽しい。クラシカルな制服を纏った車掌が回って来たので、往復分の乗車券と博物館の入館券を購入する。列車はEssen Steele、Essen Steele Ostと2駅に停車し、イベントがすでに始まっている博物館を通過したところで一旦停止。今度は進行方向を逆にして、ゆっくりと博物館内へ入っていき、扇形機関庫の横に設けられたプラットホームに11時20分に到着する。

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 博物館の手前には広大な臨時駐車場が設けられ、すでに多くの来場者が集まっている。もちろん鉄道ファンも多いが、日本のイベントに比べて年齢層が高く、高齢者も多い。夫婦連れ、家族連れも多く、賑やかではあるが、どこかのんびりとした雰囲気である。
 1面2線のプラットホームの反対側からは博物館とBochum-Dahlhausen駅を結ぶシャトル列車も運転されている。こちらは西ドイツで最後に新製された旅客機23形のうちオランダで保存されている23 017と、東ドイツで戦後に新製された貨物機23.10形 (1970年に35形に改称)の 35 1097の2両の蒸機が前後に連結されてプッシュプル運転を行っている。さらにホームの向こうの側線では、41 1150がテンダーに来場者を乗せ、構内を行き来している。

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 まずは各地から集結した東西ドイツの車両をゆっくり見て回る。

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 扇形車庫の前では転車台が動き回り、入れ替え機が機関車を順番に引き出して展示している。端には私の好きな重貨物機44形044 377が停まっている。残念ながら静態保存であるが、デッキに上がることが出来ただけでも嬉しい

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 55形・66形・74形・97形と蒸気機関車のバリエーションも豊富である。

 旧DB・DRのディーゼル機関車、電気機関車もイベントに合わせて終結している。その中でも私にはV200がハイライト。今回ようやくじっくり見ることが出来た。V200 017とV200 033の2両が展示されていたが、特に後者はオリジナルの美しい形態を保っていた。

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 一方で元DRのV180、118形もまた異なる機能美を感じさせ、別の魅力がある。こういった比較をしながら見るのも楽しいものである。

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 109形 (元211形)や142形など、DRの電機を見るのも今回が初めて、これだけの両数を集めてくるのもさぞかし大変であったであろう。

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 車両を見て回っている間にも、中央では盛んに蒸気機関車が動いて回り、汽笛やブラスト音が絶えない。さらにRuhralbahnを遊覧するレールバスも姿を現し、まことに賑やかである。

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 会場内ではソーセージやステーキなど炭火で焼いてパンに挟んで売る屋台と飲み物を売る屋台が出ている。その香りに誘われて、豚ステーキにザワークラウトを挟んだパンとビールを調達し、食事スペースに設置されたベンチで昼食を摂る。すると2個隣のテーブルにAさんがいて、二言三言交わすと、向かい側に座っていた初老の男性から話しかけられた。アーヘンから来ているとのことで、アーヘンの大学から娘さんの進学、アーヘンの鉄道模型店、車の盗難の多さ、モータースポーツなど、私の理解力に限界があるにも関わらず、取り留めのない話が続く。
 話を終えて別れたところで、機関庫内へ足を向ける。ここでは鉄道グッズや書籍が販売されてり、せっかくなので蒸気機関車のプレートの複製品をいくつか記念に購入した。その一角ではワッフルとコーヒーも売られており、妻の希望でデザートタイムとした。列に並んでいると、初老の男性が「鉄道も食事も楽しむなんて素晴らしい!」と。今日はどうもよく声をかけられる。
 
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 貨物機41形は2両来ている。忙しく構内を動き回っていた41 1150は元DRでボイラーが交換され、バイエルン鉄道博物館で動態保存されており、昨年も見た機関車である。もう1両の41 096は元DB、こちらも新型ボイラーに交換されているが、両者の形態は全く異なる。

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 午前中、乗客をキャブに乗せて構内を忙しく行き来していた41 1150はその任を38 2267に譲り、今度は41 096は38 2267に代わってEssen Hbfに向かうシャトル列車の先頭に立った。


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 ドイツ蒸気の代表格、01形はボーフム鉄道博物館に収蔵されている元DBの01 008の他、元DRでボイラーを交換された01 0509、そして元DBで新型ボイラーに交換された01 180が集結している。01 180はNӧrdlingenのバイエルン鉄道博物館で動態保存されており、昨年この機関車の牽引する列車に乗車したこともあって、愛着がある。形態的にも01 180が私の好みである。01 180は午前中は博物館の隅にいて姿が見られなかったが、午後になって移動して01 0509と前後で並び、じっくりと観察することが出来た。

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 01 180をじっくり撮る。01形の人気は高く、撮影者も絶えないが、殺気立った雰囲気はない。同時にカメラを向けるファンはせいぜい10人程度、譲り合って撮影できるレベルである。機関車の目の前に立って記念撮影する人もいるが、しばらくすると、機関車の周りで撮っているうちの一人が「ハロー」と声をかけて離れてもらい、何カットか撮影したら満足するといった具合で、落ち着いたものである。
 老体に鞭打って構内を往復する38 2267をはじめ、行き来する車両を眺めるのも楽しい。

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 01 180を撮っていると、再びAさんが現れた。01はどれも格好良いけど、01 180は良いね、と話したら、妻に「あの機関車が彼のZweite Liebeだよ」と話す調子の良さ。もちろん、私には01の解説もひたすら続く。この人の鉄道への情熱と知識の膨大さには驚くばかり、70年の鉄道ファン歴は伊達ではない。そのマシンガントークぶりには、横にいた妻も圧倒されるばかりであった。
 2時間くらいで帰るつもりが、居心地が良くて長居してしまい、15時も過ぎてしまった。好きな機関車の写真をもう一度撮って回った後、Aさんにそろそろ帰るよ、と伝えたら、友人を紹介され、ちょっと談笑し、別れを告げた。とはいえ、この勢いでは近いうちにまた遭遇しそうであるが、
 プラットホームの近くで、Essen Hbfから来た41 096が38形と並走したところを撮ったところで、Essen Hbfに戻る列車に乗車する。

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 朝と同じくボックスシートに座る。定刻より15分遅れの15時45分に発車、まずは212形を先頭に走り、博物館を出たところで一旦停止して、進行方向を変え、今度は41形を先頭に走る。沿線では老若男女問わず、多くの鉄道ファンがカメラを構えている。

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 このような鉄道イベントは妻には興味が湧かないと思ったが、とても楽しかったと喜んでいて、蒸気機関車の写真もかなり撮ったようだ。女性でも熱心に写真を撮っている人も多かったし、やはり蒸気機関車の魅力は格別なのであろう。Essen Steele Ost、Essen Steeleを過ぎ、Dortmundからの本線と合流する。蒸気列車で最新のREと並走し、ICE 3とすれ違うというのも楽しいものである。

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 列車は16時過ぎにEssen Hbfに到着、ここから折り返して再び博物館に向かう。慌ただしく発車する列車の最後尾に連結された41形蒸気機関車を撮影し、楽しい一日を終えたのであった。

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Die Nostalgiezugreise mit 01 150 [ドイツ鉄道 列車]

 ドイツでは現在も多くの蒸気機関車が動態保存されているが、その中でも最高130km/hの性能を誇り、急行旅客列車に使用された01形は人気が高い。01 150はDBの手で動態保存されてきたが、2005年に火災で焼失した。しかし、元機関士を中心とする募金によって10万ユーロに及ぶ募金が集められ、ボイラーを新製して2013年に復活し、現在はHaunauをベースに各地で特別列車を牽引している。この01 150が牽引する列車がBielefeld – Hamm – Essen – Duisburg – Düsseldorf – Kӧln – Koblenz間で運転されることを知り、早速申し込んだ。その後、Düsseldorf近辺で行われている工事の関係で、Duisburg – Kӧln間のルートがDüsseldorf経由からKrefeld・Mӧnchengladbach経由に変更された。
 4月1日、朝8時半過ぎに家を出て、Düsseldorf HbfからREに乗車し、Duisburg Hbfへ向かった。工事の関係でREが15分程遅れ少々心配したが、それでもDuiburg Hbfでは10分程乗り換えの余裕があった。
4番線ホームの端に行くと、二人と少年がカメラを持って、01の到着を待っていた。動画を撮るから静かにして、とのこと。定刻より5分程遅れて、9時35分頃、少年たちが指さす方を見ると、01 150がゆっくりと近づいてきた。入線を素早く撮影し、彼らに手を振ってホーム中ほどに走り、早速列車に乗り込む。

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 特別列車は01 150の後ろに郵便車、そして元SBBの客車が4両、これに元ラインゴルトの食堂車とドームカー、最後尾に元SBBの電機Re 4/4 Iという編成である。本当はラインゴルトのドームカーの乗車したいものだが、こちらは食事付きで非常に高く、今回は最も安いチケットを購入しており、SBB客車の3号車に乗車した。
 我々の座席は6人用コンパートメントにあり、すでに年輩のEssenからの夫婦が座っていた。挨拶して、席につくと、列車はすぐに発車し、南西へ向かう。コンパートメントの座面は非常に柔らかく、快適な座り心地である。ドイツ最大の工業地帯ということで車窓には時々巨大な工場が現れる。この辺りはICEやICは殆ど通らないとはいえ、旅客列車や貨物列車と次々と離合する。
 この種の列車では廊下に立って窓を全開にして楽しむ乗客が多く、わざわざゴーグルを持参する用意の良い乗客も見かける。私も朝食に買っておいたあんパンを食べた後、しばらく廊下に立っていたが、雨が降り出したため、自席に戻った。列車はKrefeld Hbf・Mӧnchengladbach Hbfと、ドーム式の屋根を持つ重厚な雰囲気の駅を停車しながら、乗客を増やしていく。

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 Rheydt駅に到着する頃には、雨がかなり激しくなっていた。ここで水の補給のために、しばらく停車する。ホームの横にはすでに消防車が待機している。停車中、何本かのREや貨物列車に道を譲る。食堂車の一角にあるバーコーナーでは飲み物と軽食が販売されており、ここでゼクトのミニボトルを調達する。

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 30分程停車した後、列車は発車する。列車は南東へと進路を向ける。車窓に広がる田園や森林は緑色に色付き、春の到来を感じさせる。Aachenからの路線と合流すると、もうKӧln郊外である。幸いにも雨はあがったようである。Kӧlnの象徴ドームを遠くに見ながら、Kӧln Bbfのヤードを回り込み、定刻より10分遅れの12時前にKӧln Hbfに到着する。

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 ここが最後の乗車駅で、多くの座席が埋まったようだ。我々のコンパートメントにも二人の男性が加わったが、しばらくして他所に移動していった。乗客は中年から年輩の夫婦連れが目立つが、家族連れや鉄道ファンの姿も見られる。皆思い思いに蒸気機関車の旅を楽しんでいる様子である。
 Kӧln Hbfを発車すると、ライン川を渡る。その先でICE 3とすれ違う。ICEと蒸気機関車が同じ線路を走るとは面白い。携帯電話のアプリで速度を測ると、列車は概ね90~100km/hを維持していて、なかなかの走りっぷりである。乗り心地も安定感がある。後ほど確認すると、最高104km/hを記録していた。

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 同行している妻はここまで殆ど眠って過ごしていたが、眠気が取れたら興味が出てきたようで、廊下で窓を全開にして立つ。吹き込む風と、それに混じる煤の香りを浴びると、煤浴びって楽しいね、と大喜びしていた。小腹がすいたので、再びバーコーナーに行き、ハムを挟んだパンを購入。これも2.5ユーロ、観光列車とはいえ、良心的な価格である。

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 列車はライン川右岸を快調に走る。ライン川の両岸に鉄道路線があるが、左岸はICが走るのに対し、右岸は貨物列車中心である。それでも、ドイツ物流の大動脈だけのことはあり、すれ違う列車の本数は多い。
 Kӧnigswinterに到着する。ここはBonnの郊外、駅近くからはラック式鉄道Drachenfelsbahnが出ており、この登山鉄道に乗ってDrachenfelsの山上にある古城に向かう乗客がまず下車する。同室の夫妻も降りていった。
 発車すると、まもなくUnkelを通過、この先でまもなく一時停止する。止まった場所はちょうど昨年友人と撮影に来た場所である。全く同じ場所で数人の鉄道ファンが撮影している。

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 程なくして発車すると、左側からKasbachtalbahnと呼ばれる路線が合流してくる。ここは金曜から日曜日までしか運行されない観光路線、車両には古いレールバスSchienenbusを用いている。その終着駅であるLinz (Rhein)の手前ではちょうどSchienenbusを追い抜く。まるで1960年代のようなシーンである。



 ライン川沿いに列車相変わらず90km/h程で走り、Neuwindの先で分岐してライン川を渡って、ライン川左岸線に合流、まもなくKoblenz-Lützelに着く。ここはドイツ鉄道の博物館DB Museum Koblenzに近く、大半の乗客はここからバスで博物館に向かう。私達も博物館に向かう予定として申し込んであったが、3時間半も鉄道博物館というのも妻に悪いので予定を変更し、まずは街を見ることにした。車内で回ってきた係員にそのことを話したら、それならKoblenz-Stadtmitteで降りてね、とのことであった。

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 列車はモーゼル川をゆっくり渡り、Koblenz-Stadtmitteに到着する。ここでもかなりの乗客が降りる。我々も下車し、01 150の発車を見送る。残った乗客は次のHbfからKoblenz市内ツアーの参加するのであろう。そして、ここがこの列車の往路の終点であり、01 150はそこからHaunauへと回送される。

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 Koblenzは晴れて気持ちの良い天気である。休日を楽しむ人々で賑やかな中、旧市街を散歩しながら歩く。20分程で教会Basilika Sankt Kastorではテレマンの受難曲のリハーサルが行われていて、しばらく聴いて過ごした。

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 隣のBlumenhofで美しく咲く花々を眺めた後、ドイツの父なる川ラインの母なる川Moselが合流するDeutsches Eckへ。ここでは大規模な布地のマーケットが開かれており、多くの人々が訪れていた。妻はすっかりKoblenzの町の雰囲気が気に入ったようだ、

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 暑いくらいなのでアイスクリームを食べて一休憩し、タクシーを呼んで、今度こそDB Museum Koblenzへ向かう。博物館までは10分程、15時前に着く。
 DB Museum Koblenzは主に電気機関車やディーゼル機関車が集められており、特にEp. IVの機関車のコレクションが充実している。といっても、車庫内に収められた車両はごくわずかで、大半は屋外展示である。車両が無造作に置かれたヤードをそのまま博物館として展示しているイメージで、妻曰く、緩い雰囲気で、人もそんなに多くないし落ち着くね、とのことであった。2016年12月に定期運用を終え、3月30日にMünchenからStuttgartまでICを牽引し、そこから回送されたばかりの103 113も博物館の一角に展示されていた。今後も動態保存されたら嬉しいのであるが。

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 広大な博物館に展示されている車両たちを撮影して回ると16時前となった。SL列車の参加者の多くは博物館の展示の見学に満足したようで、食堂車を利用して開かれているカフェで一杯やったり、ベンチで日光浴をして過ごしている。妻はというとベンチで休んでいると思いきや、四つ葉のクローバーを3つ見つけてご満悦、あとはトカゲに話しかけて寛いでいた。

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 残った時間を線路際で撮影していると、迎えのバスが来た。SL列車の乗客でDB Museum見学者には、迎えのバスに乗車する際に使えるように簡単な証明書が配られていたが、特に誰もチェックするわけでもなく、バスに乗車する。発車時間が16時半と案内されていることもあり、バスは16時半までは待つ。といっても係員は全員が乗ったか確認するわけでもなく、おしゃべりに夢中。16時半を過ぎたところで、乗客から時間だよ、と声がかかり、ようやくバスは発車。いかにも緩いツアーであるが、この気軽さが良い。
 Koblenz-Lützel駅には10分程で到着、ここで列車の到着を待つが、その間にも列車が通過すると、私を含めて何人かの鉄道ファンがカメラを向けるのはご愛敬。ちなみに、そんな夫に呆れた中年婦人と私の妻が笑い合ったそうで、この構図は日本もドイツも変わらないようだ。

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 17時過ぎ、SBB Re 4/4 Iに牽引された列車が入線してくる。機関車は現在はCentralbahn AGに所有されており、このような特別列車に用いられている。01 150程ではないが、こちらも人気である。
列車はモーゼル川をKoblenz Hbfに立ち寄った後、ライン川を渡り、右岸を北上していく。先程立ち寄ったDeutsche Eckeを対岸からもみることできた。小腹が空いたので、ソーセージとポテトサラダでビールを流し込むのも楽しい。

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 Kӧnigswinterに停車し、先程の夫妻がコンパートメントに乗ってきて、やはりソーセージとビールで腹ごなしをしている。配布されたアンケートに記入し、さらに本日の模様を記録したDVDを注文していると、もうKӧln郊外である。18時40分、列車はKӧln Hbfに到着する。我々はDuisburgまでは乗車できるが、同室に夫妻に別れを告げ、ここで下車することにする。Re 4/4 Iの前にも乗客が集まり、なかなかの人気である。

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 書店に立ち寄った後、19時10分発EC 6に乗車する。こちらも客車はSBB、今日はある意味ではスイス尽くしである。Düsseldorfへは20分程、夕食に美味しい中華料理を食べ、楽しい一日を終えたのであった。

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