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NRW州 乗り鉄記 (2) [デュッセルドルフ報告]

 Frohes neues Jahr 2017!
 ドイツは日本より8時間遅れて新年を迎えた。1月1日元旦はトラムとバスを乗り継いでDüsseldorf市内にある惠光寺へ初詣に出かけた。Düsseldorfは元々在留日本人が多いこともあり、日本に関するイベントや施設も少なくなく、惠光寺は仏教文化を広める目的で設立された。日本庭園も併設され、普段から日本人だけでなく、ドイツ人の訪問も多いようである。元旦ということもあり、この日は初詣に訪れた家族連れで賑わっていた。
1月2日は新春初旅を楽しむことにした。といってもイタリアを旅行したばかりであるし、3日からは仕事で遠出する気にはなれず、近場で乗り鉄を楽しむことにした。

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 前夜に雪が降り、寒い一日。11時に自宅を出て、トラムでDüsseldorf Hbfへ。最初に乗車するのはRE 19系統Emmerich行である。RE 19系統は2016年12月のダイヤ改正で新設されたばかりの系統である。オランダに接するEmmerichへはRB 35系統としてDBの111形とn-Wagenと呼ばれる旧型客車が運転されていたが、12月以降はオランダ鉄道傘下の民間運営会社Abellio Rail NRWによる運行になり、車両もStadler製の最新車両Flirt 3 (1429形、Abellioの呼称ではET25)に変更された。
 11時20分に乗車するABR20018が入線してきた。RE 19系統は5両編成のFlirt 3が短編成または2編成併結で運転されているが、この列車は単編成である。しかし、車内は空いている。Flirt 3は連接式となっており、低床構造が採用されているものの、台車がある車端部は床が高くなっている。2+2列でクロスシートが並び、トイレも設けられている。Abellioのコーポレートカラーである赤とグレーをあしらったシートは高級感がある。座席に設けられているゴミ箱にはビニール袋が入れられ、DBの車両に比べて清掃も行き届いているようである。Flirt 3の外観はやや野暮ったい気もするが、Düsseldorfに来る地域輸送用の車両の中でも、最も品質が高いように感じられる。

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 この地方の地域旅客輸送はVerkehrsverbund Rhein-Ruhrライン・ルール運輸連合を主体に運営されており、DBやAbellio、NationalExpress、Eurobahn、NordWestBahnなどの旅客列車運営会社、RheinbahnやEVAGなどの都市交通運営会社もVRRに加盟している。U-Bahn・トラム・バスも含めて共通運賃となっているので、利用客は会社毎に関係なく、これらを利用できるのが特徴である。地域輸送において、鉄道のダイヤや運賃はVRRが主体的に決定し、運行権は入札で決定されている。2020年以降はVRRが車両を保有し、それを運行会社に貸し出す計画も進められているなど、地域運輸連合の果たす役割は非常に大きい。Abellioはここ数年、この地域でのREやS-Bahnの運行権獲得に次々と成功しており、存在感を高めている。一方で、DBは他会社に比べて運行コストが高く、ここ数年はこの地域での運行権に関する入札に敗れ続けており、数年後にはNRW州の地域輸送のシェアは50%を割り込むことになる。
 11時26分に発車したABR20018は軽やかに加速していく。すぐに車掌が検札に回ってくる。車掌は長髪で、まるでロッカーのようなラフな私服、名札がなければ到底車掌には見えない。並走するS-Bahnを簡単に追い抜き、6分でDüsseldorf Flughafen空港駅である。

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 ここからDuiburg Hbfまではノンストップ、160km/hでとばすが、安定した乗り心地である。地域輸送のための利便性と高速性能を兼ね備えたFlirt 3は最近躍進著しいStadlerらしい非常に優れた車両であることを実感する。雪景色を眺める内に列車はDuisburg Hbfを経てEssen方面の路線と分かれ、ルール川を渡って、定刻の11時49分にOberhausen Hbfに着く。

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 昼食時ということで構内の売店でパンを買い、RB 44系統NWB75225 のDorsten行に乗る。この路線はNordWestBahn (NWB)による運行で、非電化区間を走るため、車両は643形 (Bombardier製Talent)、または648形 (Alstom製Coradia LINT 48)が使用されている、入線してきた列車は643形のVT 118であった。

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 車内は3割程度の座席が埋まっている。12時09分に発車した。多くの炭鉱を有し、重化学工業で賑わったルール地方は中規模の都市が乱立しており、旅客列車の運行系統が複雑であることに加え、貨物列車も非常に多く貨物線や専用線などもあることから、路線は非常に入り組んでいる。複雑な分岐を繰り返しながら、貨物ターミナルのあるOberhausen-Osterfeld Südを経て、12時26分にBottrop Hbfへ至る。しかし、ここまで最高40km/hほどのゆっくりとした走行で、5分の遅れが生じている。車内放送で数分停車する旨の案内が行われたと思ったら、車掌が出てきて後部運転台へ向かい何かの作業をしている。妻は電車も寒すぎるんじゃない、と暢気に話していたが、何らかのトラブルがあったのは事実であろう。

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 しばらくして運転士が戻り、列車発車。今度は快調に加速し、100km/h近くで走る。どうやらトラブルは解消したようである。ここはS-Bahn S9系統と並走する区間だが、それもGladbeck Westまで。この駅にも貨物列車が停車している。

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 単線になってS9系統と分かれて北へ進路を向け、Gelsenkirchenからの路線と合流する。雪をかぶった森林や田園の中を抜け、Gladbeck-Zweckel・Feldhausenを経て、12時50分に終点Dorstenに到着する。

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 Dorstenはいくつかの路線が集まる駅だが、どの路線も非電化で腕木信号機が残り、現代の駅とは思えない佇まいである。しかし、駅員の配置はないようで、ここにも合理化の波は押し寄せている。ほどなくして、乗車するRB 43系統RB 14468が入線したきた。この路線はDBによる運行で、車両は640形 (Alstom製Coradia LINT 27)の2両編成である。LINTシリーズはドイツ中で活躍しており、車内外はシンプルながら好感の持てるデザインで、私の好きな車両の一つであるが、2車体連接のLINT 48の導入例が多く、単車体のLINT 27に乗車するのはこれが初めてである。

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 13時09分に発車した列車はGladbeck-Zweckelまでは先程通ったルートを走り、そこから南東へと単線区間を走る。Bottropからの貨物線と合流するとGelsenkirchen Zooに着く。構内には廃車になったのであろう628形が並び、片隅には機関庫が残っている。

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 複雑な分岐をしながらGelsenkirichen HbfからRecklinghausenへ向かう路線と交差すると、Herneに着く。右側には貨物列車が何本か停車している他、多くの貨物用機関車が停まっており、中には廃車が進む155形の姿もある。

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 Herneを発車すると、再び非電化の単線区間を走る。Dortmund近郊に入り、車窓は所々に工場や炭鉱跡、住宅地があるものの、田園や森林も多く、なかなか美しい。妻も時々スマートフォンを窓にあてて撮影に勤しんでいる。ドイツでは車窓風景の良い鉄道路線を紹介する書籍が出版されているが、そんな路線でなくとも、なかなか美しい車窓風景を楽しめるのはドイツの鉄道旅行の良いところであろう。ドイツでは住宅密集地帯のNRW州でも、日本に比べれば、はるかに車窓風景はのどかで楽しめる。それでも駅に停車する度に乗車があり、最終的には7割程度の座席が埋まった。Dortmund Hbfには14時22分定刻に到着した。

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 新春初乗りの締めはやはりICE 3である。Dortmundからは14時25分発Nürnberg Hbf経由München HbfのICE 723、14時37分発Stuttgart Hbf経由München HbfのICE 611と2本連続してICE 3が発車する時間帯であり、私自身ICE 3を撮影したい時にはこの2本の列車をよく狙っている。
 乗り換え時間に余裕のあるICE 611に乗車することにする。ICE 723が発車する前から既にICE 611は入線している。DBのサイトでは混雑が予想されているが、始発駅というおともあって、今のところ車内は空いている。せっかくなので、先頭の21号車へ行くと、幸いにもラウンジには誰もおらず、運転室直後の席に座る。発車準備を行っていた如何にも好青年といった運転士が出てきて、”Hallo”と挨拶してきたので返す。

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 しばらくしてホーム隣から14時36分発Passau Hbf行IC 2027が発車していく。IC 2027はHagen・Wuppertal・Solingenを経由してKöln Hbfに15時47分に到着するのに対し、こちらICE 611はEssen・Duisburg・Düsseldorfを経由してKöln Hbfに15時49分に到着する。NRW州の主要都市を相互に補完し合う関係なのである。
 IC 2027を追いかけるように、14時37分に発車する。160km/h程まで加速し、先行するIC 2027が南へ去っていくと、まもなくBochum Hbfに着く。Bochumから先では一旦南側を走るS-Bahnと離れ、再び合流するとEssen Hbfである。帰省していたと思われる若者がラウンジに乗車し、父親が見送りに来ているのは、正月らしい光景である。

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 Essen Hbfを発車するとMühlheimを通過し、ルール川を渡って、往路で通ったOberhausen方面の路線と合流して15時13分にDuisburg Hbfに到着する。

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 都市が並ぶNRW州の中でもKöln - Düsseldorf – Essen – Dortmundはメインラインであり、在来線といえ最高200km/hで路線規格は高いが、概ね10分おきに停車するためICEでもREとあまり所要時間は変わらない。Duisburgを出発すると200km/hに一気に加速し、あとは流すように走る。Düsseldorf Flughafenには一部のICEやICも停車するがこの列車は通過する。Düsseldorf-Zooの辺りで減速し、普段から利用するDüsseldorf Wehrhahnをゆっくり通過すると、定刻より2分遅れて15時27分にDüsseldorf Hbfに到着する。わずか4時間余りであったが、楽しいNRW州の初乗りであった。

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