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1日乗車券でドイツ周遊 (2) [ドイツ鉄道旅行 2017]

 2週間前、BahnCardのポイントで入手した1日乗車券を使って北ドイツを周遊したが、ICE-TDに乗るという目的を果たせなかったため、再び日帰りの旅に出ることにした。8月13日、早朝5時過ぎに家を出る。まだ暗い中、S-BahnでDüsseldorf Hbfへ。5時半前だがパン屋などは店を開けており、コーヒーと水を買っておく。17番線ホームに上がると、程なくしてKöln Hbf始発Westrland/Sylt行IC 2314が入線して来る。制御客車を先頭に、後ろから101 037が押している。

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 車内は空いており、予約しておいた4号車2等席に座る。定刻の5時33分に発車、Duisburg Hbf、Essen Hbf、Bochum Hbf、Dortmund Hbfと概ね20km毎に停車し、少しずつ乗客を増やしていく。この頃には外も明るくなった。Dortmundを発車すると、Lünenを過ぎるとMünsterの手前までしばらく単線区間を走る。1時間に1本はICが走る区間で単線は珍しい。Dortmund - Hamm - Münsterは複線で電化されているが、Münsterへ直行するこの路線の方が速達性は高いのであろう。車内を歩いて最後尾へ、既に大半の席が埋まっている。Münster Hbfでの停車時間を利用して、機関車の写真を撮っておく。

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 車内に戻り、自席に戻る前にBordBistroへ立ち寄る。朝から何も食べていないため、サンドイッチでも買いたかったのだが、窓口が閉められて、職員が中で何か作業をしている。しばらく待っていると、技術的なトラブルでBordBistroは閉まっているとの車内放送が入る。厨房から出てきた職員に若者達が瓶ビールだけでも販売できないの?と尋ねているが、申し訳ないが何も販売できないと何度も謝っている。これは諦める他ない。
 自席に戻ると、列車はまもなくOsnabrück Hbfに着く。ここまで、ほぼ定刻で走っている。車内は満席でデッキには立客の姿もある。土曜朝に行楽地に向う列車ということで、念のため座席を予約しておいたが、やはり正解であった。
 ドイツ国内の大半の幹線の長距離列車はICEが主体となっているが、このライン・ルール地方とハンブルクを結ぶ路線は、ベルリンとドレスデンを結ぶ路線と並んで、今でも客車編成のICが主体である。とはいえ、数年後にはICE 4への置き換えが予定されている。
 Osnabrückを出発すると、程なくして200km/h対応区間に入る。頑丈な路盤のおかげもあるのだろうが、乗り心地は極めて良好、客車ということで静かで、田園風景の中を滑るように走る。この辺りはICらしい走りが楽しめて好きな区間である。

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 Bremen Hbfでさらに乗客の入れ替えがある。相変わらずの混雑であるが、幸いにも列車は順調に走る。並走するREもあっという間に追い抜く俊足ぶりである。9時ちょうどにHamburg-Harburgに着く。Hamburg-Harburgを出発すると南エルベ川を渡り貨物列車と並走しながら北上、北エルベ川を渡ると、まもなくHamburg Hbfである。9時13分定刻の到着、多くの下車客と共に私もここで降りる。(IC 2314, Düsseldorf Hbf→Hamburg Hbf: 425km)

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 これから乗車するKoebenhavn行ICE 1233は通常は7番線からの発車だが、6番線に変更になっているとのメールで通知されていた。その6番線で友人と合流する。ICE 1233は気動車ICE-TD (Tz 5514編成)による運行で、すでにホームで発車を待っていた。側面はかなり汚れており、大きな落書きも見られた。

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 ICE-TDは2等車2両、2等+Bordbistro、1等車1両の4両編成である。車内は混雑しており、事前に指定券を取ろうとしたらHamburgからは満席で、途中のOldenburgからの指定券しか買えなかった。そのため1時間ほどは立つことを覚悟していたが、ラウンジの2席に乗客が現れず、ここで座ることが出来た。
 列車は9時28分に発車、ICE-TDに乗るのは2回目だが、やはりディーゼルエンジンの音を響かせての発車には違和感がある。2000年に登場と比較的新しいICE-TDだが、振子装置のトラブルで2002年には運用から外れ、2006年のドイツ・ワールドカップ輸送で復活、2007年からはデンマーク国鉄DSBにレンタルされる形でHamburgとKoebenhavnを結ぶ国際路線で運用されてきた。しかし検査期限切れを迎えるにあたり、DBはICE-TDにこれ以上の投資を行わない方針を決定し、DSBに買い取りを提案するも拒否された。そのため、2016年12月のダイヤ改正で大半の編成は運用から撤退し、現在はTz 5507 / 5514 / 5517 / 5519の4編成が残り、わずか1往復に運用されるのみとなっており、この運用も2017年10月1日を以て終了してDSBのIC3に置き換えられる予定である。あまりに早い引退の前に、ICE-TDに乗ることが今回の目的である。
 Hamburg郊外を抜けた列車は最高140km/hで電化区間を北上していく。スピードに乗ればエンジン音も気にならない程度、乗り心地も悪くはない。Lübeck Hbfでもある程度の乗車があり、座席が埋まった。4両編成で航送の関係で増結が出来ないICE-TDでは収容力に限界があり、このこともICE-TDが引退に追い込まれる一因なのかもしれない。
 Lübeck Hbfを出発してしばらく単線非電化区間に入る。すると早朝からコーヒー1杯で過ごし、すっかりお腹が空いたので、BordBistroへ。ICE-TDのBordBistroは小さな立席テーブルがあるだけで狭いが、ここで朝食にフラムクーヘン、そしてビールを一杯。友人はChili con Carneを食べ、とても美味しいと喜んでいた。

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 10時37分、Oldenburgに着いたところで、元々予約していたテーブル付きの座席に座る。車内には幾つかの空席が見られるようになった。しばらくすると列車はFehmarnsundbrücke フェーマルン海峡橋で海峡を越え、Fehmarn フェーマルン島へ上陸する。程なくして、11時05分ドイツ最後の駅Puttgardenに到着する。

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 ここでDBの車掌は下車、BordBistroも閉店して係員も降りていった。11時08分にドアが閉まり、列車はゆっくり発車、最徐行で係員の誘導に従って、ゆっくりとフェリーの中に吸い込まれていく。HamburgとKoebenhavnを結ぶVogelfluglinie 渡り鳥ルートのハイライトが、このPuttgardenから国境を越えたデンマークのRødbyまで19kmの航送区間である。多くのバスやトラックに混じって列車はフェリー内に停車する。

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 安全上の問題で、乗客は列車内に留まることが出来ず、一度フェリーに移る必要がある。列車が収容された階からは階段またはエスカレーターで移動するが、その前にフェリー内のICE-TDを撮影する。やはり珍しいシーンなのか、何人かの観光客が記念撮影をしている。船はデンマークに向けてすぐに出航する。フェリーは方向転換が不要な双頭船で、非常に効率的な運用を可能にしている。

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 階上に行くと、ビュッフェ・レストランやカフェテリア、免税店などが並び、どこも賑わっている。さらにデッキに上がり、海風を浴びる。考えてみたら、ドイツへ来て13か月、海を全く見ていなかった。久しぶりに広々とした海を見ながら潮風を浴び、実に爽快だ。Rødbyまでは45分の航海、あっという間に対岸が近づいてくる。

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 早めに下りて、ICE-TDを再度撮影すると、まもなく乗車が再開された。

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 乗客が戻ったところで、ドアが閉まる。ガクンという大きめの揺れを感じると接岸、すぐに列車は動き出し、ゆっくりとデンマークへ上陸し、Rødbyに着く。ここで折り返しても良いのだが、Hamburgへ戻るECまでは1時間半以上あり、今回は次のNykøbing Falster駅まで乗車することにする。

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 12時20分に出発した列車は西へと向かう。田園風景の中を快調に進む。すでにドイツ国内で一度検察があったが、ここで今度はDSBの検札がある。12時40分、定刻より3分速くNykøbing Falster駅に到着する。ICE-TDを見るのもこれが最後であろう、ディーゼルエンジンを響かせて発車するのを見送る。(ICE 1233, Hamburg Hbf→Nykøbing Falster: 208km)

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 Nykøbingは駅も街もこじんまりとしているが、構内にはセブンイレブンが。せっかくなので店内を見て回ると、焼き鳥が売っている。照り焼き風の焼き鳥は日本のコンビニエンスストアで買う焼き鳥と比べてもなかなかの美味。そしてドイツでは見たことにないフリスクも売っており纏め買いする。こんなところにも国境を越えて来たことを実感する。

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 Koebenhavn発Hamburg Hbf行EC 34は定刻通り入線して来る。こちらはDSBのIC3による運行で、3両編成を2ユニット連結している。こちらも乗車率は良く、大半の座席が埋まっている。2等車はボックスシートタイプだが、大柄でゆったりした椅子の座り心地は上々。隣では小さな子供たちが賑やかだ。

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 13時14分に発車した列車は20分程でRødbyへ。ここでフェリーに乗り込むまで、しばらく待たされる。ようやくフェリーに収容され、車外へ出る。先程のICE-TDに比べて乗客数が多く、写真を撮りに行くのも大変そうなので、階上へ上がり、カフェテリアへ。ここでビールに白身魚フライで遅めのランチとする。鉄道の旅も、こういう瞬間は良い気分転換になる。

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 早めに階下に降り、停車中のIC3を観察する。ICE-TDはフェリー内で後部にかなり余裕があったが、IC3は2編成併結した状態でフェリーにギリギリ収納されている。おそらくフェリーと列車の規格が合うように考慮されているのであろう。ICE-TDでは収容力が不足し、といって増結も出来ず、中途半端なのかもしれない。

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 まもなく車内に入り、ドイツ側に接岸、ゆっくりとフェリーを出て、Puttgardenに到着する。ここでDBに車掌に交代、先程ICE 1233に乗務していた車掌2人が担当しているようだ。

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 フェリーに乗り込むのに時間がかかったためであろう、EC 34は10分程遅れている。フェーマルン海峡を越え、列車は快調に南下して行く。気動車ならではの心地よいエンジン音、さらに早朝から行動しアルコールも入り、眠気を催す。

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 うたた寝をするうちに列車はOldenburg・Lübeck Hbfを過ぎる。列車は順調に走り遅れを取り戻していく。Hamburg Hbf到着は4分遅れの16時26分であった。(EC 34, Nykøbing Falster→Hamburg Hbf: 208km)

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 Hamburgからは本来であればDüsseldorf Hbfへ直行するICで帰るところだが、1日乗車券での旅で単純往復は勿体なく感じられる。そこで、今回はFrankfurt (M)経由で帰ることとする。乗り換えまでしばらく時間があるので、カフェで一服した後、友人と別れ、17時24分発Stuttgart Hbf行ICE 833に乗る。ICE 1 (Tz 166編成“Gelnhausen“)による運行である。

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 予約していた2等コンパートメントに座る。この列車も非常に混雑しており、座席を探す乗客が行き交う中で列車は慌ただしく発車する。ICE 1の魅力の一つはこのコンパートメント、昔ながらの旅気分が味わえるのはもちろん、テーブルが付いていて便利である。私もノートPCを開いてしばらく作業する。Hamburg-Harburgを通過すると加速し、最高200km/hで南下して行く。外は小雨が降り出したようだ。Uelzenを過ぎ、程なくするとEschedeを通過する。1998年6月3日に発生し101名の犠牲者を出した事故の現場は101本の木が植えられ、慰霊のモニュメントとなっている。

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 Hannover Hbfでさらに乗客が増えたようだ。列車は高速新線に入り、最高250km/hで走るが、揺れも少なく静かで、快適な乗り心地である。Göttingen・Kassel-Wilhelmshöheと停車し、20時が近づいて、そろそろ外が暗くなってきた。

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 ここで席を立って、BordRestaurantへ行く。幸いにも4人席が空いており、腰を下ろす。屋根の高いICE 1の食堂車は雰囲気が良く、ICE 1の最大の魅力であろう。幾つか空席があったが、乗客が次々と現れ、全てのテーブルが埋まった。なかなかの盛況である。ここでサラダと今月からの新メニューFrikadelle vom Schwein und Rind mit Pilzrahmsoße und Kartoffelnを注文する。キノコソース・ハンバーグ、ジャガイモ添えといったところ。ビールも2杯、なかなか美味しく、楽しい夕食となった。

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 列車はFuldaを通過して在来線区間に入り、南東へと向かっていく。日は沈み、外はすっかり暗くなった。この列車の食堂車の営業はFrankfurt (M)までのようで、到着が近づくと係員が全てのテーブルの会計を済ませ、慌ただしく片づけをしている。Frankfurt (M) Hbfには定刻の21時08分に到着する。(ICE 833, Hamburg Hbf→Frankfurt (M) Hbf: 416km)

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 ICE 833はここで方向転換して、Mannheim・Heidelbergを経由してStuttgartへ向かうが、Frankfurt (M)での乗車が多かったようで、車内はデッキまで一杯の大混雑。ドイツでここまで混雑している列車はあまり記憶にない。

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 私は地下ホームから21時32分発Wiesbaden Hbf行S9に乗車する。しばらくすると車内で抜き打ちの検札が始まる。治安維持の目的もあり、このような検札は早朝や夜に行われることが多いと聞く。乗客は見なきちんと切符を所持していたようで、検札はスムーズに終了。Frankfurt (M) Flughafen Regionalbf. 空港近距離駅には21時42分に着く。(S9, Frankfurt (M) Hbf→Frankfurt (M) Flughafen Regionalbf.: 11km)

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 ここから連絡通路を通って、Frankfurt (M) Flughafen Fernbf.へ。Baden-Baden付近で列車の運行が出来なくなっているとの案内が流れていたが、Basel SBB発Dortmund Hbf行ICE 100は定刻通り入線してきた。編成はICE 3 (Tz 316 “Siegburg“ + Tz 328 “Aachen“)の16両編成だが、前の8両Tz 316のみが営業しており、Tz 328は回送扱いである。ICE 100も大半の8割方の座席が埋まっている。

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 旅の最後はいつものICE 3。22時09分に発車した列車は300km/hで快調に高速新線を飛ばす。Siegburg/Bonnまでは40分で到達し、ここからは200km/hで在来線を走る。Köln Hbfには23時07分に到着、ここで列車はしばらく停車する。方向転換した列車はライン川を渡って北上。Düssendorf Hbfには23時38分に到着した。(ICE 100, Frankfurt (M) Flughafen Fernbf.→Düssendorf Hbf: 210km)

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 デンマークまで足を延ばした日帰り旅行は前回を上回る乗車距離1,478kmに達し、船を含めて約15時間半にわたって列車に乗り続けた旅であった。
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Gut

長旅お疲れ様でした。
TDは運行を終了してしまうのですね。
渡り鳥ラインとして日本の旅行雑誌でも度々紹介されているので寂しい限りです。
by Gut (2017-08-14 07:11) 

HUH

Gutさん、コメントを有難うございます。
ICE-TDはフェリーに合わせて設計されたわけではないので、IC3に比べて何かと使いにくいのかもしれません。渡り鳥ライン自体は当面IC3で運用されますが、フェリー区間もトンネルが建設されるようですので、数年後には航送自体も見られなくなるのでしょう。
by HUH (2017-08-14 16:32) 

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