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ドイツ鉄道にみるトラブル時の列車運行 [ドイツ鉄道 その他]

 Deutsche Telekomドイツテレコム、Deutsche Postドイツポスト、そしてDeutsche Bahnドイツ鉄道。国営企業から民営化されたこの3社は概してドイツの消費者から評判が悪い。ドイツ鉄道は何といっても遅延が問題視されている。ドイツ鉄道は6分以上の遅れた場合に遅延として扱っているが、長距離列車の定時運行率は80%を割り込んでおり、社会問題ともなっている。遅延の原因も、軌道工事・車両や軌道のトラブル・事故など様々で、なかなか改善が進んでいないのが現状である。知人の間でも、昔は正確だったのに、という声は少なからず聞く。ただし、西ドイツ国鉄時代に比べればドイツ鉄道のネットワークははるかに複雑化しており、また運行列車本数も飛躍的に伸びていることは考慮されるべきであろう。そんなドイツ鉄道であるが、トラブル時には柔軟な対応がみせることがある。
 10月3日、ドイツ統一を記念した祝日の月曜日、ICE 3に乗りたくなってDüsseldorf HbfからFrankfurt am Main Flughafen フランクフルト空港まで往復することにした。Düsseldorf Hbfはプラットホームが4番線から20番線まである。Düsseldorf Hbfを南北に貫くDuisburg - Düsseldorf – Kölnの長距離列車は、例外はあるものに15・16番線からKöln方面、17・18番線からDuisburg方面の列車が発着する。ただし、この日は工事のため15・16番線が閉鎖されており、主にDüsseldorf Hbf止まりまたは始発の列車が利用する19・20番線も含めた運用がなされていたものに、列車は全般に遅れがちであった。
 当初は12時21分発ICE 627に乗車するつもりであったが、非常に混雑していたことから見送り、Amsterdam CS発Frankfurt am Main Hbf行ICE 123に乗車することにした。ICE 123は所定であれば16番線から発車するが、工事に伴い構内放送では4番線からの発車に変更され、本来であれば12時51分発であるところを、12時58分に変更されている。
 ほぼ定刻にICE 123は姿を現した。車両はICE 3M、406形Tz 4601編成である。この列車も混雑していたが、幸いにも最後尾の車両に座ることが出来た。乗客を乗せると列車は慌ただしく発車する。

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 DüsseldorfからKölnへのメインラインは南東へ直進してLeverkuen Mitteを経由し、Köln Messe/Deutzからライン川を渡ってHbfに至るルートである。ICEやICの本数が多いこともあり、在来線とはいえ、最高200km/hに対応している。しかし、4番線を出発した列車は右に大きくカーブして、Neuss・Mönchengladbach方面へと西に向かう。Düsseldorf-Friedrichstadt、Düsseldorf-BilkとS-Bahnの駅を通過すると加速していく。Düsseldorf-Hammを通過すると、Düsseldorfのランドマークであるラインタワーを背にライン川を渡る。Hamm鉄道橋は全長813.5m、1987年に架け替えられたが、現在でも旧橋の一部が残されている。

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 左に大きくカーブし、右に広大なヤードが広がると減速してNeuss Hbfを通過、ここでMönchengladbach方面の路線と分かれ、南東へと進行方向を変える。ここからは直線が続き、最高160km/h運転に対応している。通常はICEやICは走らないが、RE 6a / RE 7 / S11が使用している。時々工場は現れるものの車窓には田園が広がる。Dormagenを経て減速し、Aachenからの路線と合流して、ヤードも周りを大きく左へ回り込み、Köln Hbfに到着する。

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 Köln Hbfで乗客の入れ替えがあったが、車内はほぼ満員の混雑である。13時36分定刻に発車した列車は最高300km/hの高速新線を快調に走り、定刻の14時27分にFrankfurt Main Flughafen Fernbahnhofに到着した。
 フランクフルト空港には特に用事はないので、すぐに折り返す。本来であれば間に合わないはずのMünchen Hbf 発Essen Hbf行ICE 720が遅れて到着したため、運よく間に合った。車両は403形Tz 310編成"Wolfsburg"である。この列車もほぼ満席であったが、ラウンジの最前席に座ることができた。

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 定刻の14時25分から10分近く遅れて発車したICE 720であるが、高速新線上を加速し、最高300km/hで疾走する。Düsseldorfは晴れていたが、高速新線の途中の丘陵地を超える区間の一部では激しい雨が降っている。それでも列車は快調に走り、40分ほどで高速新線を走破し、Siegburg/Bonnを通過すると最高200km/hの改良線区間へ入る。

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 Köln Messe/Deutz - Köln Hbfはライン川を挟んですぐ対岸に位置し、ライン川を越えるHohenzollern橋梁は3複線となっているが、それでも多くの列車が集中するボトルネックとなっており、しばしば遅れの原因となる。また、Hbfでは方向転換が必要なこともあり、Düsseldorf方面は向かうICEにはHbfに寄らず、Messe/Deutz駅の地上ホームに停車し、ライン川を渡らずに北へと向かう列車も多い。ICE 720もそのうちの一本である。Messe/Deutz駅には定刻より6分遅れの15時20分に到着した。
 乗客の乗降が済んでも、列車はなかなか発車しない。しばらくして車内放送が入る。よく聞き取れなかったが、何らかのトラブルで発車を待っており、現在新たなダイヤを確認中とのことであった。DBのサイトを確認すると、子供が線路に立ち入ったため、Leverkusen-Mitte – Düsseldorf-Oberbilk間で運行できない状態になっているようだ。しかし、しばらく待っていると、特に車内放送もなくドアが閉まり、15時37分、定刻の20分遅れて列車はゆっくり発車した。
 ICE 720はHbfからの本線と合流してKöln-Mülheimを通過、その先で本来のLeverkusen-Mite方面ではなくOpladen・Solingen方面へと向かう。Leverkusen-Scheinbuschを通過し、DBの廃車になった車両が解体されるOpladenでSolingen方面へ向かう路線と分かれる、ここからはHideln・Düsseldorf-Rath・Duisburg-Wedau経由でMülheim (Ruhr)-Speldorfに至る路線に入る。ここは本来は複線の貨物専用線である。最高200km/hに対応し高速でICEやIC、REが行きかうLeverkusen-Mitte経由の旅客線とは異なり、この貨物線は最高でも140km/hである。

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 ICE 720は貨物列車や、この貨物線に迂回してきたICEとすれ違いながら走る。

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 Hilden付近でSolingenからのS-Bahn S1系統が合流し、複々線となる。Hildenで一旦追い抜いたS-Bahnの422形とゆっくりと並走し、S-BahnのDüsseldorf-Eller付近で再度左に転線し、貨物線と分かれる。

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 S-Bahnとともに左に曲がり、Düsseldorf-Eller Mitteをゆっくり通過する。つづいて再び右に大きくカーブし、Leverkusen Mitteからの旅客線に合流してDüsseldorf-Oberbilkを通過する。

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 再び右に大きくカーブをしながらDüsseldorf-Volksgartenを通過すると、まもなくDüsseldorf Hbfである。到着は16時04分、定刻より28分遅れていた。貨物専用線を経由したため最高速度が抑えられたこともあり、遅れはやや拡大していたが、長時間足止めされることなくDüsseldorfに戻ってこれたのは幸いであった。

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 以前、MűnsterからDüsseldorfまでICに乗車した際にも途中のDortmundに到着後、人身事故で足止めされたことがあった。長時間停車を覚悟したが、列車は本来のBochum・Essen経由からGelsenkirchen経由にルート変更し、定刻よりわずか15分程度の遅れでDüsseldorfに到着したことがあった。
 もちろん遅れないに越したことはない。時間の正確さでは定評のある日本の鉄道に比べ、ドイツ鉄道の現状は決して褒められたものではなく、私自身ドイツ鉄道を利用する際には30分程度の遅れを前提として予定を立てるようにしている。一方で遅れた際の柔軟な対応という点では、ドイツ鉄道には時に感心させられることがある。日本では各路線の独立性が高く、最近は短絡線も減らす傾向のようで、トラブル時は列車を完全に止めてしまうことが多く、一度遅れが生じると足止めされてしまうことが少なくない。路線設計や信号装置、さらに法律上の問題も含めて様々な要素が関係することは理解できるのだが、遅延時でも列車を既存の施設を柔軟に活用して列車を走らせるドイツ鉄道の運転整理法は遅延の影響の拡大防止に有効であるように感じられ、興味深かった。

Hohenzollernbruecke [ドイツ鉄道 その他]

ドイツの鉄道橋の中で、Rendsburger Hochbruecke (Rendsburgの北海バルト運河を超える鉄道橋)、Goeltzschtalbruecke (世界最大のレンガ橋)と並んで、最も有名なのがKoelnのHohenzollernbrueckeであろう。
Koeln Hbfを列車が出発すると、この街の象徴である大聖堂を右に見ながら、大きくカーブし、徐行のままこのHohenzollernbrueckeでライン河を渡る光景は、この街の代表的な鉄道風景である。日本映画「ヨーロッパ特急」でも、オープニングで103形牽引のICと403形Lufthansa Airport Expressがこの橋を渡るシーンが登場する。

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このHohenzollernbrueckeが10月3日に150周年を迎え、Koeln Hbfで記念にベントが行われている。
1859年10月に完成したのは、正確には同じ場所にあったDombruecke (大聖堂橋)である。Dombrueckeは鉄道・道路用の橋であったが、鉄道需要の増大に対応できないことから、、1907年から1911年にかけてHohenzollernbrueckeに置き換えられた。Hohenzollernbrueckeは鉄道4線と道路で構成されていたが、第2次世界大戦での被災から修復する際に、道路じゃなくなり、鉄道4線と歩行者用通路の鉄道橋となった。1985年3月には列車本数増大に対応するため、さらの鉄道2線分の橋梁が追加された。これにより、現在のように、3連のトラス橋が3本並ぶ今日の姿となった。

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Hohenzollernbrueckeは全長688.5m、3本の橋梁は1911年、1950年、1985年と製作された年代に差があるが、デザインには統一性が保たれており、河岸にそびえる大聖堂と共に、ライン河でも有数の美しい姿を保っている。
一方で、鉄道橋としての重要度も非常に高く、1日の通過列車本数はICEからS-Bahnまで、1200本に及ぶ。Koeln Hbfからの進入では最高50km/h、Koeln Messe/Deutzからの進入でも最高80km/hに制限され、どの列車も徐行して渡る光景は、この鉄道橋へ敬意を示しているようにも感じられる。それくらい威厳に満ちた橋なのである。

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Hohenzollernbrueckeの150周年を祝うと共に、今後もlドイツ鉄道を代表する後継として、この橋梁が生き続けていくことを願ってやまない。
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