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Sommerfest im DB Museum Koblenz [ドイツ鉄道イベント]

 主に旧西ドイツ国鉄車両を保存しているDB Museum Koblenzで、6月17・18日に毎年恒例のサマーフェスティバルが行われた。今年のテーマはTEE 60周年、多彩な車両が集結するとのことで、4月に続いてDB Museum Koblenzを再訪した。
 Düsseldorf Hbfを9時49分に出るIC 2005に乗車、車内はほぼ満席だったのでBordBistroでコーヒーを飲みながら過ごすことにする。減速してライン川を渡り、Kӧln Hbfには10時15分に着く。6番線ホームには既にカメラを持った鉄道ファンが集まっていた。発車案内表示には10時46分発Koblenz-Lützel行TEE 5464の文字。博物館イベントに合わせて、17・18日の各日にKoblenz-Lützel~Kӧln Hbf~Koblenz-Lützelを走る特別列車が午前・午後2本ずつ運転されるのである。客車はTEE用客車、牽引機は17日午前・午後と18日午前の3本は103 113、18日午後はE10 1239が担当する。

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 103形は2016年12月を以て定期運用を終了し、113号機は3月末にDB Museum Koblenzに移された。今日が初めての動態保存運転ということで、注目度も高いのであろう。私もこの列車のチケットをオンラインで購入済みであった。
 入線を知らせる構内放送が入り、10時40分に103 113を先頭にTEE 5464が入線してきた。ホームで待っていた人々が一斉にカメラを向ける中、ゆっくりと目の前で103 113が停車した。客車は5両と短めだが、TEE客車を牽く姿は美しく、特急列車としての貫禄も十分である。編成はコンパートメント客車4両、その中間にTEE „Rheingold“の末期に連結された“Club Rheingold“と呼ばれるクラブカーが連結されている。

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 指定された3号車はコンパートメント客車Avmz 111.1である。私のコンパートメントには既にドイツ人の先客が一人、挨拶して自席に座る。座席は十分な大きさがあり、柔らかい座り心地で、実に快適である。
 TEE 5464はKoblenz-Lützelを9時05分に発車し、ライン川を渡って、Rechte Rheinstreckeライン川右岸線を北上して、Kӧln Hbfに着いた。列車は進行方向を変えることなく、さらにLinke Rheinstrecke ライン川左岸線を南下してKoblenz-Lützelを目指す。
 Kӧln Hbfを発車した列車は主に長距離列車用の車両が並ぶ広大な機関区の外周を大きく回り込み、南西へ進路を向けて加速していく。
 隣の座席に遅れて、日本からの鉄道ファンも一人乗車して来られた。DB Museum Koblenzのサマーフェスティバルがお好きで、今回もイベントに合わせてドイツにいらした、とのこと。幼い頃にメルクリンのカタログを毎日のように眺めて以来のドイツ鉄道好きで、これまでにドイツ国内の主要な鉄道博物館は全て訪問されたとのことで、その行動力には脱帽するしかない。同行の士と話すのも、また旅の楽しみである。

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 103形もTEE用客車も200km/h対応だが、動態保存車両の臨時列車ということで、ダイヤは控えめ。今回の走行区間は元々、最高160km/hまでしか対応していないが、Kӧln – Andernach間を同じ停車駅のICは43分で走るのに対し、TEEは57分かける。これは停車駅の多いREと同等である。といってもREも最高160km/hの俊足、TEE 5464も決してゆっくり走っているわけではなく、区間によっては140~160km/h程度は出ているようだ。蒸気機関車牽引の列車に乗車した時も感じたが、保存車両を用いた列車でも、ある程度のスピードで運転するのは、ドイツらしい点と言えるかもしれない。
 構内で行われている工事の影響か、Bonn Hbfの手前で一旦停止し、ゆっくりと入線する。予定より数分遅れて11時20分にBonn Hbfを発車すると、Nordrhein-Westfalen州からRheinland-Pfalz州に入り、ライン川に沿って走る。友人が撮影しているはずの陸橋をくぐると、まもなくRemagenに着く。ここで高齢の父とその息子と思われる二人連れの親子がコンパートメントに入ってきて、6席のうち5席が埋まったが、座席に余裕があるせいか、特に窮屈には感じない。

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 列車はさらに順調に南下して行く。それなりのスピードは出しているのだが、揺れは非常に少なく、乗り心地は非常に良い。ここで、“Club Rheingold“客車WGm804に行く。WGm804はTEE "Rheingold“に1983年から87年まで連結された車両で、München発着の付属編成での供食サービスに用いられた。今日も飲み物や軽食が提供されており、一角ではピアノ演奏も行われていた。座席は全て埋まり、朝からビールやワインを傾ける乗客で賑やかであった。本当はお土産用のTEEのマグカップを買いたかったが、残念ながら売り切れであった。瓶ビールを購入し、自席に戻る。

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 最後の停車駅Andernachを過ぎると、程なくしてライン川と離れていき、Koblenz-Lützelの構内に着く。広い構内には、展示車両に加えて、52形蒸気機関車牽引のツアー列車が停車している。しばらく待機する、との車内放送が入る。その間に先頭の103形は切り離され、後部にディーゼル機関車が連結されたところで、再び発車。ゆっくりと進み、12時15分に博物館に設けられたホームに到着する。わずか1時間余りであるが、楽しい103形牽引TEEの旅であった。

 博物館では14時から機関車パレードが行われる。パレードを撮影しやすいポイントでは、すでに多くのファンが並んでいる。行列をあまり見かけないドイツでは珍しい光景である。私も博物館の見学は後にして場所取りをすることにした。
 信号所の近くに良い場所を見つけ、博物館横の本線を行き来する列車を撮りながらパレードを待つ。その間にも、目の前をドイツ最初の蒸気機関車Adler号や01形蒸気機関車が行き来して、なかなか楽しい。博物館とKoblenz Hbfの間には会期中140形と212形によるシャトル列車が運転されており、友人がこの列車に乗って13時過ぎに来た。まずはビールで乾杯。1時間半以上待つのは楽ではないが、その間にも鉄道ファンの数はさらに増え、かなりの混雑となってきた。といっても、殺気立った雰囲気はなく、子供が前に潜り込んだりしている。

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 パレード開始の時間が近づいてくる。パレードの参加する車両が集結して来ると、いよいよ楽しみで仕方がなくなり時間の経過が長く感じられる。14時ちょうどに構内放送が入り、いよいよパレードの開始である。

ドイツ最初の蒸気機関車Adler
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Haunauをベースに、特別列車の牽引に忙しく活躍する01 150も登場。私も一度、この機関車牽引の列車に乗車し、また何度か撮影して、思い入れのある車両である。

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続いてHalleのDB Museumで保存されている、旧DRの243形。現在も143形として多く車両が活躍しているが、オリジナルの姿も美しい。

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重貨物列車用150形は最高速度100km/hと遅いのが災いしたのか、2004年までに廃車され、今回初めて動態の姿を見ることが出来た。

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2電源対応の試作機で、後に181形となった。自走できないため、360形が後ろから押し、一旦切り離された、今度は150 186に連結されて去っていった。

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E310を置いて一度バックしたV60 (360形)が再度パレードに登場。ある意味では入れ替え機らしい動きである。

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ドイツの近代電機の先駆け、110形は複数登場。先鋒は、1962年に新型客車を用いて運転開始された“Rheingold“を牽引したE10 1239である。

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110 152はOrientrotを纏っている。比較的新しい塗装であるが、TEE塗装などと比べても、見かける機会は少ない。

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勾配線区の重貨物列車に活躍した旧型電機。そのスタイルから「ドイツのクロコダイル」と呼ばれた。

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入れ替え用電機である。1927年から1983年までの長きにわたって活躍した。

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1932年に登場し、187両が量産された旧型電機の初号機。1991年まで活躍した。

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流線型スタイルのE10が“Blauen Enzian“に用いられた展望客車と共に登場。

VT 11.5
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Horbの博物館で保存されていたVT 11.5。開館日が限られ見る機会がなかったが、今回のイベントに合わせて回送され、機関車パレードにも登場した。イベントの目玉の一つである。先頭はオリジナルの601形、客車2両、後部はガスタービンに換装された602形である。安全規定をクリアできず動態保存は既に断念されているが、流麗なスタイルをみられただけでも嬉しい。

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先程乗車した103 113牽引のTEE。やはり格別に美しい編成である。

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パレードのトリは120形の量産車の初号機。120形はまだまだ現役で活躍しているが、徐々に数を減らしている。

 1時間半程の楽しい機関車パレードはこれで終了である。一角に止まっていたレールバスを撮る。

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 会場ではイベントに合わせて、様々な露店が出ており、飲食物から鉄道グッズ、部品、鉄道模型などが売られている。その一つ、DBのBahnShopでいくつかのグッズを購入した後、遅めの昼食を軽く摂る。

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 その後は、博物館の車両を見て回る。昨年はTEEを牽引した111 001は今日は静かに休んでいる。

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 VT 11.5はパレードの後、博物館内に留置されていた。先程はディーゼル機関車に隠れていた602形の姿もゆっくり観察することが出来た。車内も公開中で、高級感溢れる客室は実に魅力的である。601形の運転台は復元工事中なのか多くの部品が外され無残な姿であったが、それでも基本的な構造は分かった。一方、602形の運転台は行列が出来ていて、時間切れで見学できなかった。

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 私が買った切符では、103形のTEEに復路も乗車することもできたが、それよりも鉛線で撮影することにした。16時半過ぎに友人と共に博物館を出て、Koblenz-Lützelへ20分程歩く。143形が牽引するライン川右岸線のRBに乗る。列車は10分程遅れ、40分程でLeubsdorfに着く。

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 駅からしばらく歩いたところで、まずはDB Museum Koblenzから来た4両編成のレールバスを撮影する。

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 さらに歩くこと、10分。Dattenberg付近で103形を待つことにする。右岸線は貨物列車が中心だが、REやREなどの近距離列車も少なくない。さらにミリタリー関連の貨物列車も通過した。
通過予想時間から15分程過ぎた頃、103 113がようやく姿を現した。機関車のトラブルがあって遅延したようだが、無事に撮影出来て一安心である。

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 ここからはLinzの駅まで歩く。速足で20分程、途中でビールを調達し喉を潤す。駅に着く頃には、すっかり疲れてしまった、425形によるREに乗車し、Kӧln Hbfに着いたのは20時半であった。駅構内のレストランで食事を済ませた後、友人と別れ、REでDüsseldorf Hbfへ戻った。

 6月18日も103形をKӧlnで撮ることにした。快晴の中、Interlarken行EC 7とS-Bahn S12系統を乗り継ぎ、Kӧln Airport-Businessparkへ。ICE 3の更新車、Tz 310編成で雲梯されたICE 621が通過した後、予定時間通りに103 113が通過していった。103形の雄姿を楽しむことが出来た2日間であった。

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40 Jahre Eisenbahnmuseum Bochum [ドイツ鉄道イベント]

 Bochum-DahlhausenにあるEisenbahnmuseum Bochum ボーフム鉄道博物館は多くの貴重な車両を収蔵することで有名である。2017年、ボーフム鉄道博物館は40周年を迎え、さらにDeutsche Gesellschaft für Eisenbahngeschichte ドイツ鉄道歴史協会が50周年を迎えることから、4月29日・30日とボーフム鉄道博物館で” OST TRIFFT WEST” 「東が西に出会う」というテーマで記念イベントが開催されている。晴天となった29日、早速足を運んだ。
 29日Düsseldorf Hbfを10時過ぎに出るREに乗車、Essen Hbfまでは30分程で到着する。ボーフム鉄道博物館へは普段はS-Bahnに乗てBochum-Dahlhausenまで行き、そこから20分程歩く必要があるが、イベント開催中はEssen Hbfから博物館まで特別列車が運転されている。
 特別列車が発車する10番線へ向かい、入線を撮るべくホーム先端へ向かうと、70代の鉄道ファンAさんに声をかけられた。Aさんはまさに神出鬼没で、すでに4回も撮影時に遭遇している。そして、一度出会うと撮影の傍ら、ひたすら鉄道話をマシンガンのように語り続けるのだが、私のドイツ語力では3割理解するのも精一杯、それでも構わず話し続けるという人である。70年生きても鉄道は本当に面白いテーマだね、というAさん、早速Essen Hbfで停車していた列車を順番に解説し始める。それを聴いているうちに (正確には聴こうと努力しているうちに)、特別列車が姿を現した。

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 牽引するのはボーフム鉄道博物館が所有する元プロシア鉄道P8形、38 2267である。1918年製ということは御年99歳、それでもこうして本線を走るのだから、立派なものだ。客車を挟んで、最後部には212形ディーゼル機関車が連結され、Essen Hbfと博物館の間をプッシュプル運行しているのである。
Aさんと別れ、何となく付いて来た妻と共に特別列車に乗り込む。かなりの乗客が乗り込んだが、車内は空席も多く、妻と共にボックスシートを占めることが出来た。10時59分に212形を先頭にゆっくりと列車は発車、最高60km/hでゆっくりと走る。ゴトゴトと揺れはあるが、腰掛はクッションが効いているし、乗り心地は上々。何よりも、この雰囲気を味わうだけでも楽しい。クラシカルな制服を纏った車掌が回って来たので、往復分の乗車券と博物館の入館券を購入する。列車はEssen Steele、Essen Steele Ostと2駅に停車し、イベントがすでに始まっている博物館を通過したところで一旦停止。今度は進行方向を逆にして、ゆっくりと博物館内へ入っていき、扇形機関庫の横に設けられたプラットホームに11時20分に到着する。

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 博物館の手前には広大な臨時駐車場が設けられ、すでに多くの来場者が集まっている。もちろん鉄道ファンも多いが、日本のイベントに比べて年齢層が高く、高齢者も多い。夫婦連れ、家族連れも多く、賑やかではあるが、どこかのんびりとした雰囲気である。
 1面2線のプラットホームの反対側からは博物館とBochum-Dahlhausen駅を結ぶシャトル列車も運転されている。こちらは西ドイツで最後に新製された旅客機23形のうちオランダで保存されている23 017と、東ドイツで戦後に新製された貨物機23.10形 (1970年に35形に改称)の 35 1097の2両の蒸機が前後に連結されてプッシュプル運転を行っている。さらにホームの向こうの側線では、41 1150がテンダーに来場者を乗せ、構内を行き来している。

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 まずは各地から集結した東西ドイツの車両をゆっくり見て回る。

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 扇形車庫の前では転車台が動き回り、入れ替え機が機関車を順番に引き出して展示している。端には私の好きな重貨物機44形044 377が停まっている。残念ながら静態保存であるが、デッキに上がることが出来ただけでも嬉しい

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 55形・66形・74形・97形と蒸気機関車のバリエーションも豊富である。

 旧DB・DRのディーゼル機関車、電気機関車もイベントに合わせて終結している。その中でも私にはV200がハイライト。今回ようやくじっくり見ることが出来た。V200 017とV200 033の2両が展示されていたが、特に後者はオリジナルの美しい形態を保っていた。

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 一方で元DRのV180、118形もまた異なる機能美を感じさせ、別の魅力がある。こういった比較をしながら見るのも楽しいものである。

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 109形 (元211形)や142形など、DRの電機を見るのも今回が初めて、これだけの両数を集めてくるのもさぞかし大変であったであろう。

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 車両を見て回っている間にも、中央では盛んに蒸気機関車が動いて回り、汽笛やブラスト音が絶えない。さらにRuhralbahnを遊覧するレールバスも姿を現し、まことに賑やかである。

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 会場内ではソーセージやステーキなど炭火で焼いてパンに挟んで売る屋台と飲み物を売る屋台が出ている。その香りに誘われて、豚ステーキにザワークラウトを挟んだパンとビールを調達し、食事スペースに設置されたベンチで昼食を摂る。すると2個隣のテーブルにAさんがいて、二言三言交わすと、向かい側に座っていた初老の男性から話しかけられた。アーヘンから来ているとのことで、アーヘンの大学から娘さんの進学、アーヘンの鉄道模型店、車の盗難の多さ、モータースポーツなど、私の理解力に限界があるにも関わらず、取り留めのない話が続く。
 話を終えて別れたところで、機関庫内へ足を向ける。ここでは鉄道グッズや書籍が販売されてり、せっかくなので蒸気機関車のプレートの複製品をいくつか記念に購入した。その一角ではワッフルとコーヒーも売られており、妻の希望でデザートタイムとした。列に並んでいると、初老の男性が「鉄道も食事も楽しむなんて素晴らしい!」と。今日はどうもよく声をかけられる。
 
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 貨物機41形は2両来ている。忙しく構内を動き回っていた41 1150は元DRでボイラーが交換され、バイエルン鉄道博物館で動態保存されており、昨年も見た機関車である。もう1両の41 096は元DB、こちらも新型ボイラーに交換されているが、両者の形態は全く異なる。

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 午前中、乗客をキャブに乗せて構内を忙しく行き来していた41 1150はその任を38 2267に譲り、今度は41 096は38 2267に代わってEssen Hbfに向かうシャトル列車の先頭に立った。


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 ドイツ蒸気の代表格、01形はボーフム鉄道博物館に収蔵されている元DBの01 008の他、元DRでボイラーを交換された01 0509、そして元DBで新型ボイラーに交換された01 180が集結している。01 180はNӧrdlingenのバイエルン鉄道博物館で動態保存されており、昨年この機関車の牽引する列車に乗車したこともあって、愛着がある。形態的にも01 180が私の好みである。01 180は午前中は博物館の隅にいて姿が見られなかったが、午後になって移動して01 0509と前後で並び、じっくりと観察することが出来た。

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 01 180をじっくり撮る。01形の人気は高く、撮影者も絶えないが、殺気立った雰囲気はない。同時にカメラを向けるファンはせいぜい10人程度、譲り合って撮影できるレベルである。機関車の目の前に立って記念撮影する人もいるが、しばらくすると、機関車の周りで撮っているうちの一人が「ハロー」と声をかけて離れてもらい、何カットか撮影したら満足するといった具合で、落ち着いたものである。
 老体に鞭打って構内を往復する38 2267をはじめ、行き来する車両を眺めるのも楽しい。

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 01 180を撮っていると、再びAさんが現れた。01はどれも格好良いけど、01 180は良いね、と話したら、妻に「あの機関車が彼のZweite Liebeだよ」と話す調子の良さ。もちろん、私には01の解説もひたすら続く。この人の鉄道への情熱と知識の膨大さには驚くばかり、70年の鉄道ファン歴は伊達ではない。そのマシンガントークぶりには、横にいた妻も圧倒されるばかりであった。
 2時間くらいで帰るつもりが、居心地が良くて長居してしまい、15時も過ぎてしまった。好きな機関車の写真をもう一度撮って回った後、Aさんにそろそろ帰るよ、と伝えたら、友人を紹介され、ちょっと談笑し、別れを告げた。とはいえ、この勢いでは近いうちにまた遭遇しそうであるが、
 プラットホームの近くで、Essen Hbfから来た41 096が38形と並走したところを撮ったところで、Essen Hbfに戻る列車に乗車する。

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 朝と同じくボックスシートに座る。定刻より15分遅れの15時45分に発車、まずは212形を先頭に走り、博物館を出たところで一旦停止して、進行方向を変え、今度は41形を先頭に走る。沿線では老若男女問わず、多くの鉄道ファンがカメラを構えている。

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 このような鉄道イベントは妻には興味が湧かないと思ったが、とても楽しかったと喜んでいて、蒸気機関車の写真もかなり撮ったようだ。女性でも熱心に写真を撮っている人も多かったし、やはり蒸気機関車の魅力は格別なのであろう。Essen Steele Ost、Essen Steeleを過ぎ、Dortmundからの本線と合流する。蒸気列車で最新のREと並走し、ICE 3とすれ違うというのも楽しいものである。

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 列車は16時過ぎにEssen Hbfに到着、ここから折り返して再び博物館に向かう。慌ただしく発車する列車の最後尾に連結された41形蒸気機関車を撮影し、楽しい一日を終えたのであった。

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33. Internationale Ausstellung für Modellbahn [ドイツ鉄道イベント]

 鉄道模型のメッセというと、何といっても毎年2月にNürnbergで開催されるSpielwarenmesseが有名である。毎年鉄道模型関連の各社が出展し新製品が発表されるということで、ファンにとっては常に注目を集めるイベントである。ただし、このメッセはあくまで商談の場であり、基本的には関係者しか入場できない。
 一方、Internationale Modellbahn-Ausstellung (IMA)はNürbergのSpielwarenmesseに比べると日本での知名度はかなり低いが、毎年開催される一般のファン向けの大規模な鉄道模型イベントである。メルクリンの本社のあるGöppingenとKölnで交互に開催され、今年は11月17日から20日までKölnで開催された。迂闊にも、このイベントの存在を私も失念していたが、友人がIMAに合わせて渡独したため、19日に一緒に訪れた。
Düsseldorf Hbfを10時12分に出発するICE 612で出発、Köln Messe/Deutz駅まではノンストップでわずか20分である。会場は駅の目の前にあるメッセ会場である。

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 家族連れから高齢者まで多彩な来場者と共に広大なメッセ会場内を歩くこと10分程で、IMAの開催されているホールに着く。IMAとともにKölner Echtdampf-Treffen、LEGO-Fanwelt & Kidsfestも同時開催で賑わっており、チケット売り場は長蛇の列ができている。
 Düsseldorfの模型店で購入しておいた前売り券を手にすぐに入場、まずはIMAへ向かう。IMAは大きなホール一つを丸ごと会場にされている。IMAの出展団体は大きく分けると、大小の鉄道模型メーカー (ストラクチャやアクセサリ関係も含む)、小売店、ファン団体に分けられる。メルクリン・トリックスが来年のインサイダーモデルとして様々なファンクションを有した長胴タイプの103形とTEE客車を発表していたものが、基本的には新製品の発表はない。それでも各社とも最新のモデルやレイアウトの展示を行っていて、それぞれ見応えがある。

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 デジタル時代を反映してか、いくつかのメーカーはデジタル関連のデモンストレーションに力を入れていた。鉄道模型はおろか、自動車やバスのデジタル制御に関する展示も目に付く。ファンがメーカーの担当者に熱心に質問している姿もあちらこちらで見られ、メルクリンもCS3の説明会を行うなど、メーカーとファンが直接コミュニケーションを取る場として機能していることが分かる。

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 ストラクチャ関連のメーカーも興味深い。作りこまれたレイアウトは実に魅力的であり、その膨大な製品群と共に実に魅力的である。またレーザーカットを利用したストラクチャを売る小規模メーカーも多数出展している。

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 鉄道ファン団体の出展は思ったよりは少なかったが、それぞれ特徴のあるレイアウトを持ち込んでいた。メーカーの用意するレイアウトとは一味違うが、それがまた面白い。とはいえ、ごく一部のメンバーが運行管理を行い、大半のメンバーが真中のテーブルでリラックスしているグループもチラホラ。この光景、どこかで経験がある・・・・。

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 会場内では一部のメーカーも販売を行っていたが、多数の小売店も出店していた。各ゲージの新製品からセカンドハンド、さらにストラクチュアや自動車・バスなどの製品が所狭しと並べられている。価格破壊という程ではなく適正範囲は守られている印象だが、それでも全体にかなり安く販売されており、すでに生産中止になった製品やジャンク品等も多い。製作済みのストラクチャなどレイアウトを作る際には魅力的。目当ての製品を探すファンが各店に群がり、スタートセットを買ってもらう子供の姿も。全体として、来場者の年齢層が高い印象があったが、今後も鉄道模型という趣味が継承されていって欲しいものである。

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 会場の数か所にはスナック売り場が設けられ、ソーセージやパンなどの軽食、ビールや飲み物、アイスクリームなども販売されており、休憩を取ることも可能である。
 同時開催のKölner Echtdampf-Treffenでは乗車可能な大型鉄道模型が広大なフロアー一杯に走り回っていた。

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 LEGO-Fanwelt & Kidsfestは家族連れが中心。子供たちが元気に遊べるスペースが中心であるが、一角では様々な作品が展示され、鉄道関係の展示も多い。

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 IMA会場に戻り、もう一度見て回ると、気が付けば14時。あっという間に時間が過ぎてしまった。以前とあるバーで顔を合わせたことがあるという方にも遭遇。ちょうどドイツで仕事があり、滞在を延ばして訪れたそうだ。確かにそれだけの価値のあるイベントである。
欲しいものは数えきれない程であるが、ドイツ生活の間は鉄道模型に手を出さないようにしており、友人とお互いに制止しながらひたすら我慢。最後にお土産として、DBが出展するBahn-ShopでICE 4のディスプレイモデルのみ購入した。Lemkeが製作したというこのモデル、長い車体、特徴的な顔つきなど実車の印象がよく捉えられていた。

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 会場を出ることには、すっかり疲れていた。友人曰く、会場が広大で歩き回るのが大変だけど、それ以上に物欲にブレーキをかけるのにエネルギーを使う、とのこと。会場を後にして、歩いてライン川を渡り、ICE 3を撮った後、Köln Hbf構内のレストランでケルシュと共に昼食で一息つき、ICに帰路についた。

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 NürnbergのSpielwarenmesseに行った経験は私にはないが、あくまで商談の場で、実際に見るとそれ程面白いものでもないということは時々聞く。一方、IMAはユーザー向けのイベント。それだけに、ファンの熱気に触れ、ドイツの鉄道模型文化を体感するのに絶好であろう。行くなら何といってもIMAというのは、Spielwarenmesseに行った経験のある友人と一致した意見である。来年は9月15日から17日までGöppingenで開催される予定である。広大な会場を歩き回る体力と、押し寄せる誘惑に打ち勝つ気力を今から蓄えておきたい。
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